HOME カフェ 【白浜町】「豆の湯」選書のセンスに一目惚れ ~本とカフェ 旅する和歌山びより vol.1~

【白浜町】「豆の湯」選書のセンスに一目惚れ ~本とカフェ 旅する和歌山びより vol.1~

公開日 2025.06.23

どんな本が待っているのか分からない―、だからこそ、BOOK&CAFEを巡る旅はおもしろい。和歌山県内を気まぐれに歩いて出合った、あの一冊とあの空間をご紹介します。

建物と空間を楽しむ

白良浜海岸近く、路地を入ると、すてきな建物が目に入ってきます。築約65年、昭和長屋の1棟。入口や窓の上に瓦屋根が残っています。まずは入店前にドアのデザインをチェック!

店に入ると、すぐにレジカウンターがあり、スタッフが迎えてくれます。聞けば、「自分たちで改装し、2016年にオープンしました。“新しいものは買わないでおこう”と決めました」と。店のコンセプトは『皆の好きなものを集めて』。

廃校になった小学校や解体現場で捨てられたものや海外の蚤の市で」と。センスが抜群。1階席なら、全体が見渡せる一番奥の隅がおすすめです。

2階へ上がる階段の踊り場は、カラフルな柄のタイルでデザインされています。これは海外の蚤の市で手に入れたのだろうか。ちなみに、同店は毎年2月の1カ月、スタッフらで海外の蚤の市などを巡るため、店は休みになります。

2階は1階とは少し雰囲気が異なる。壁一面に大きな本棚があり、年代物の調度品がさりげなく置かれています。
窓からはほどよく光が差し込み、とても落ち着く空間です。

本棚には、戯曲、歌舞伎、詩集、推理小説、ジャズ、世界文学全集など、さまざまなジャンルの本が並びます。

持ち主はオーナーの義父のもの。スタッフ情報によると、ときどき来店し、グリーンの世話と本の入れ替えを行っているとも。

食材一つにストーリーあり!ランチとカフェタイム

本を片手に、となれば、サンドイッチがベター。「季節のフルーツサンド」(1450円)と迷ったあげく、「平飼いたまごサンド」(800円)を選択。龍神村で平飼養鶏をしている「とりとんファーム」の卵が使われています。

まずは、そのままで食べて。2口目は、一緒に運ばれてくる本宮町の熊野鼓動の辛調味料「じゃばすこ」で味変が楽しめます。コーヒーは「オリジナルブレンド MAME-Buka」(650円)。

20年以上前からアップサイクルに取り組む同店。市場に並ばない、規格外の野菜や果物を地元の農家から仕入れ、料理やデザートを提供しています。

薬膳カレーランチ「野菜たっぷりVEGAN(ビーガン)」(1650円、薬膳茶付き)。プラス550円で大盛に。

季節のジャムが添えられた「ベイクドチーズケーキ」(680円)。

豆の湯という店名は、かつてのコーヒーの異称「豆の湯」に由来している。コーヒーが店の軸にもなっていて、季節はもちろん、デザートメニューに合わせて産地やブレンドを変えているこだわりも。

グルテンフリーの「完熟バナナのパウンド」(620円)。

とりとんファームの卵で作る「豆の湯プリン」(550円)。

のんびり過ごす朝のモーニング

2024年冬に登場したのが、地元の食材を使った朝食のメニュー「スープモーニング」(1680円)。姉妹店「九十九(つくも)」の窯焼きパン・季節のポタージュに、当日セレクトのスペシャルティコーヒー、コンフィチュールと温泉卵付き。

自家製ジャムやコーヒー、「じゃばすこ」など、店内で味わったものを購入。地元作家の作品なども並んでいます。帰りがけ、立ち止まって、手にとってくださいね。(続く)

名称 豆の湯 九十九別邸
所在地 和歌山県西牟婁郡白浜町1384-15 新地長屋5号 地図
電話番号 0739-33-7070
営業時間 8:00~17:00
定休日 水・木曜
駐車場 あり
web https://www.shirahama99.com/mamenoyu