
和歌山市立博物館の特別展「徳川治宝(はるとみ)」
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紀州藩10代藩主・徳川治宝(はるとみ)にまつわる特別展「紀州の美を統(す)べし殿様 徳川治宝」が、和歌山市立博物館で開催。治宝から贈られた品や、社寺へ寄進したもの、御用を手掛けた絵師の絵画など、18世紀末~19世紀前半の紀州の豊かな文化が紹介されています。2025年12月7日(日)まで。
紀州の豊かな文化を紹介

黒楽茶入 銘 三番叟(くろらくちゃいれ めい さんばそう)」治宝が手掛けた茶入れと考えらえれ、銘は表千家9代・了々斎(りょうりょうさい)によるものと分かります。西浜御殿で御庭焼が行われる以前につくられた貴重な作例。ふたに書かれた文書も見て。

リアルなカメ。治宝が使っていた印「亀鈕印(きちゅういん)」。銅にメッキが施されています。

器物の表面に漆を塗り重ね層をつくり、模様を彫り表す彫漆の技法でつくられた「偕楽園御庭焼 彫彩漆屈輪文合子(かいらくえんおにわぬり ちょうさいしつぐりもんごうす)」。

紀州東照宮に伝わる絵巻を写した「東照宮縁起絵巻 第4・5巻 住吉広尚・広定筆」。
※現在、5巻が展示されています(画像は4巻)

見れば見るほど、愛嬌が。楠材の一木造り、和歌浦天満宮所蔵の「獅子(しし)・狛犬(こまいぬ)」。室町時代の制作と推測されます。

南北朝~室町時代に作られた「刺繍種子阿弥陀三尊図(ししゅうしゅじあみださんぞんず)」。治宝が手に入れ、朽ちて粉になった糸くずを収める袋を添えて、和歌山市内の無量光寺へ寄進しています。

寺外初公開。治宝と側室、姫、和歌山城の女中が、和歌山市内の寺に寄進した仏像5体。 見る価値あり!

器に描かれているのは、和歌浦の不老橋。この橋は治宝がつくらせた橋で、治宝の長寿を願って、名前が付けられたとも。
学問や芸術に造詣が深く、文化の保護と継承にも尽力したといわれる治宝。もっと深く知るには、講座や展示解説への参加もおすすめです。
展示解説と講座
●展示解説
2025年11月23日(日)・12月6日(土)14:00~15:00ぐらい
入館手続きを済ませ、展示室入口に集合
講師は新井美那学芸員
申し込み不要、直接会場へ
●講座
2025年11月29日(日)14:00~15:30
「徳川治宝による下贈と社寺への寄進」
場所は2階講義室、定員80人
講師は新井美那学芸員
申し込み不要、直接会場へ
【開催期間】2025年12月7日(日)まで
【特別展観覧料金】一般500円、高校生以下無料 ※11月22日(土)ふるさと誕生日で無料
【休館】月曜 ※11月24日(休)開館、翌25日(火)休館
【問い合わせ】TEL 073-423-0003和歌山市立博物館
| 名称 | 和歌山市立博物館 |
|---|---|
| 所在地 | 和歌山県和歌山市湊本町3-2 |
| 電話番号 | 073-423-0003 |
| 営業時間 | 9:00~17:00(入館は16:30まで) |
| 定休日 | 月曜(祝日の場合は開館し、翌日休館)、祝日の翌日 |
| web | http://www.wakayama-city-museum.jp/ |




















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