
【和歌山市】「パンの店 ローマ」懐かしいイズミヤパンの味を継承! ~マエオカテツヤの和歌山ディープ遺産⑥~
イチオシの記事
連載★マエオカテツヤの和歌山ディープ遺産
和歌山市生まれの漫画家・マエオカテツヤ氏が、和歌山県内で出逢った味わい深い人や忘れられないスポットを紹介する「マエオカテツヤの和歌山ディープ遺産」。第6回は、「イズミヤパン」の味を継承する「パンの店 ローマ」へ行き、昔懐かしいパンを大人買いしたお話。
和歌山人なら絶対共感♪
「イズミヤパン」の思い出
「♪ウサギのマークの~イズミヤ~パン」のCMソングを憶えている人はいらっしゃいますか?

スーパー等にも卸していて手軽に買えたこともあり、僕らが子どものころは、菓子パンといえばこのイズミヤパンが定番だった。
特に好きだったのが「ソーセージドッグ」。縦4分の1にカットされた魚肉ソーセージが入った揚げパンである。揚げパンの香ばしさと魚肉ソーセージのさっぱりとした旨みが相まって美味しいんである。
近頃もソーセージの揚げパンはどこにもあるが、これが上等のポークソーセージが入っているからいただけない。魚肉ソーセージのなんともいえないチープなテイストでなければ、あの頃のあの味わいではないのだ。
うちの母は「フルーツパン」が大好きで、よく買ってきていた。ふんわりした生地のパンに生クリームと、みかんやパインの果肉が挟まれたスイーツパンだ。パンの表面にクッキー生地だろうか、プツプツとした粒が蒔かれていて特徴的であった。これがまた、当時はケーキを食べているような感覚で、最高のおやつでもあった。
特に衝撃的だったパンが「大ロシア」。全長30cm以上はあろうかという巨大なパンで、表面に砂糖がかかっていて、我が家ではフランスパンを食べるかのごとく、スライスして食べていた。手で持って食べると熱で砂糖が溶けてべたつくので、フォークを使って食べたりもしていた。
…など、思い出すとキリがないイズミヤパンであるが、残念ながら1997年にイズミヤパンは惜しまれつつ廃業してしまった。
イズミヤパンの職人が
あの味を再現して販売中
もうあの味は食べられないのか…と思いきや、今もあの味を継承している店がある。和歌山市湊にある、焼きたてのパンの店「ローマ」がそうだ。

現在、「ローマ」でパン職人をされている楠見充崇さんにお話を伺った。

そもそも楠見さんは、イズミヤパンの職人であったのだ。胸には「イズミヤパン」の文字が誇らしげ。
イズミヤパンが廃業になった後、縁あって「ローマ」で働くことになりました。オーナーの勧めもあって、かつてのイズミヤパンの味を再現することになったんです。
最初、イズミヤパンのラインナップは、ほどほどにしか売れませんでした。やがて口コミなどで広がり、昔懐かしい味を求めて県内各所からお客さんが詰め掛けるようになりました。


店内の棚にある黒い札が、イズミヤパンで販売されていた商品のラインナップ。



ソーセージドッグもフルーツパンも大ロシアもある。童心に戻ったようにワクワク。不思議なことに、何十年も食べてないのに味が蘇ってくる。

買い込むだけ買い込んで店を後にした。

我慢しきれず、車の中でソーセージドッグをパクリ。
「これや、これ! あの頃、あの時の味…ウサギのマークの~イズミヤ~パン♪」

早々に車から出て、あと2本、ソーセージドッグを追加したのでした。


母が愛したフルーツパンの中身のショット。具がたっぷり、美味しいに決まってるやん!

ロシアのように大きいから「大ロシア」。
他にも懐かしいパンがいっぱい。和歌山の昭和生まれには懐かしいパンを令和に味わえるなんて、シアワセを実感したのである。
| 名称 | パンの店 ローマ |
|---|---|
| 所在地 | 和歌山県和歌山市湊1825-3 |
| 電話番号 | 073-455-8133 |
| 営業時間 | 7:30~19:00 |
| 定休日 | 月・火曜 |
| 駐車場 | あり |





























株式会社 和歌山リビング新聞社 編集部