チョークアートの魅力 豪州仕込みの林さん

愛犬のプラネットと林さん

ポップでカラフルに描かれた、おいしそうなフルーツや野菜、愛らしい動物たち――これらは最近、カフェの看板やメニューボードでよく目にするようになったチョークアート。和歌山市のチョークアートアーティスト・林まきさん(32)が手掛ける作品は、発祥地のオーストラリア仕込み。筆を使わず指のみを使い、鮮やかで楽しい世界を生み出している。

チョークアートとは、黒い塗料を塗った木の板に、チョーク(オイルパステル)で輪郭をとって塗り、指でくるくるとぼかしながら、グラデーションをつくっていく表現。

林さんは県立和歌山高校を卒業後、神戸市でアパレル関係の仕事をしていた。26歳で経験した事故からの回復をきっかけに「一度きりの人生、好きなことをしておきたい」と、ワーキングホリデーで約1年間、オーストラリアへ。そこで出合ったのがチョークアートだった。

もともと興味があったこともあり、鮮やかな色彩に加え、文化として確立したチョークアートの魅力に引かれ、ケアンズで技術を学び、帰国した。

その後、約4年間は趣味のスノーボードとサーフィンを楽しみながら全国を回った。旅先でお世話になった人へのお礼にと作品をプレゼントするうち、それが好評で依頼を受けるようになった。さらに本格的な技術を修得したいと、再度オーストラリアへ渡った。チョークアート考案者のモニーク・キャノン氏のもとで学び、晴れて講師の資格を取得。昨年の春、和歌山市狐島にチョークアート教室「MASH ART(マッシュアート)」を開設した。

作品のデザインは全てオリジナル。愛犬のフレンチ・ブルドッグ「プラネット」を題材にした作品も多く、動物の毛並みのリアルさなど、微細な表現が持ち味だ。陽気で大らかな人が多いオーストラリアで、肌で感じたことも反映されてか、林さんの作品にはそんな異国の空気も感じられる。

店の看板やウエルカムボードなどの依頼が多く、各地で開くイベントやワークショップは子どもから年配者まで幅広い世代に好評。枠からはみ出したり失敗したりしても、消しゴムで消せるので誰でも気軽にできるのも魅力という。

「チョークアートがコミュニケーションの一つになれば。言葉では伝え切れない、喜びや怒り、愛情など、いろんな感情を表現したい」とにっこり。
「これまではいろんな世界を見たくて、自分から海外に出て行ったけど、今度は自分が世界から必要とされるくらいになりたい」と夢は膨らむ。

29日まで、同市祢宜のケーキサロン・マニエール和佐店で作品展を開催している。約15点が展示され、林さんは「くすっと笑ったり、ほっこりとした気持ちになってもらえるとうれしいです」と話している。

午前9時から午後7時まで。問い合わせは同店(℡073・477・3155)。

記事元: わかやま新報 ※掲載記事内容は記事提供元で過去に掲載された内容になります。