空き家の生かし方 和工が建築甲子園8強

ベスト8と健闘した和歌山工業チーム

全国的に増加している空き家の活用や再生について高校生がアイデアを競う「建築甲子園」で、県立和歌山工業高校(和歌山市西浜、中前耕一校長)の生徒8人が、同市和歌浦中の長屋をモデルとした提案「路地力溢れる長屋」でベスト8となった。

「建築甲子園」は公益社団法人日本建築士会連合会などが主催し、6回目の今回は昨年秋に募集が行われた。作品は、A1判のパネル1枚に空き家の図面などを書き込み、県建築士会(池内茂雄会長)に提出。和歌山工は同会の審査を通過し、全国審査に進出した。

和歌山工チームのメンバーは、建築学科の授業「課題研究」を受けている3年生6人と、建築技術クラブの1年生2人。学校から近い和歌浦地区で明治時代から続くメーンストリート「明光商店街」の路地にある空き家を調査した。

3年生は何度も現場を訪れては、地域住民から空き家の現状や商店街周辺の情報を聞き、学校に戻って地図に情報を書き込んだ。西谷拓弥君(18)は「最初は話し掛けるのに抵抗があったけど、優しい人ばかりで、地域のことをきちんと教えてくれた」と振り返った。

地図を完成させる過程で、住民には高齢者が多いこと、南海トラフ大地震が起こった場合、津波でほとんどの場所が浸水し、倒壊した空き家が逃げ遅れの原因になりかねないことが分かった。

空き家を、普段から若者と高齢者が交流し、災害が発生した場合にも助け合いに活用できる場所にしようと、浸水想定区域外の2階建ての長屋を選んでアイデアを絞った。1階には商店街で買った食品を料理できるシェアキッチンを、2階には生け花やダンスなどができる教室、地域住民の作品を飾る展示室などを設けることを提案した。

メンバーの意見をまとめた3年でチームリーダーの山名雄介君(18)は「一人ひとりがプレゼンテーションし、たくさんの良い案が出たので、まとめるのが大変でした」と話す。意見がまとまると、活用のイメージをより明確にするため、1年生が長屋の模型を制作し、写真を撮って応募作品の中に組み入れた。

19日、同校で表彰式が行われ、池内会長がチームのメンバー一人ひとりに賞状を手渡した。池内会長は和歌山工の健闘に対して「とても素晴らしい成績。作品は地元の特徴を上手に引き出して、まとめられていた」とたたえた。

昨年はベスト8を逃したことから、山名君は「ベスト8に入れてとてもうれしい。和歌山を活性化させるために、今後も提案を考えていきたい」。3年の岡本悠河君(18)は「空き家のマップを作るのが一番時間がかかった。まさかベスト8に入るとは思っていなかった」と喜んでいた。

記事元: わかやま新報 ※掲載記事内容は記事提供元で過去に掲載された内容になります。