

制御センサーが誤信号 カイロス2号機中断原因
イチオシの記事
和歌山県串本町で昨年12月18日に打ち上げられた小型ロケット「カイロス」2号機が飛行中断となったことについて、宇宙事業会社のスペースワン㈱(東京都)は8月31日、姿勢制御のセンサーからの誤信号が原因だったと発表した。
【写真】2号機の飛行中断について話す豊田社長(右から2人目)らスペースワンの役員
2号機は、打ち上げ後に機体の姿勢が乱れ、回転する状態となり、発射から187秒後、内蔵の自律飛行安全システムが正常な飛行経路を逸脱したと判断し、自爆していた。
調査の結果、発射から86秒後、燃焼ガスを噴出する「ノズル」の角度のずれを検知するセンサーからの信号が異常となり、機体を正常に制御できなくなったことが原因と判明。打ち上げ時の厳しい環境や振動への対応が十分ではなかったという。3号機では、設計を一部見直して対策を施したセンサーを使用する。
3号機の打ち上げ時期は未定だが、2カ月前までに公表する方針。70㌔㌘級の小型衛星1機と、超小型のキューブ衛星3機の計4機を搭載する予定で、打ち上げ手順などは2号機と変更はなく、太陽同期軌道、高度500㌔への衛星投入を目指す。
豊田正和社長は「2020年代終わりには年間20機を打ち上げる方針は変えていない。その実現のためにも3号機に集中したい。原因は分かったので、対策を講じ、しっかりとミッション達成を目指す」と話した。