HOME 和歌山ニュース 和歌山の食を世界に 万博で松本さん「ミライの給食」
和歌山の食材たっぷりの「ミライの給食」

和歌山の豊かな自然に育まれた食材をたっぷり使用した食事の提供を通して、和歌山の魅力と生産者の思いを世界に発信しようと、和歌山市出身のフレンチシェフ・松本一平さん(51)らによる特別イベント「ミライの給食2025in大阪・関西万博」が1日、万博会場内(大阪市・夢洲)の関西パビリオン「和歌山ゾーン」で行われた。

【写真】「ミライの給食」を作った松本さん(右から4人目)と生産者、スタッフの皆さん

松本さんは20歳で上京後、六本木などのレストランで修業し、ベルギーのミシュラン一つ星の名店で腕を磨くなどした後、独立し、14年にフランス語で「平和」の意味をもつ「La paix(ラペ)」を東京・日本橋にオープン。フランス料理の伝統と和の心が調和する独創的なフレンチで人気を博しており、18年からミシュランガイドで一つ星に輝き、持続可能な食文化に貢献する積極的な取り組みにより、22年からミシュラングリーンスターも獲得している。

「ミライの給食」は、和歌山の子どもたちに食を通じて地元の良さを知ってもらおうと、昨年3月に松本さんの母校の和歌山市立三田小学校で、和歌山の食材を使ったコース料理を子どもたちに振る舞う取り組みとして初開催。今回は、世界中から人々が集まる万博会場で、子どもにも大人にも広く和歌山の素晴らしさ発信する機会として計画された。

特製の食事は、「しらす・リコッタ・メレンゲ」「足赤海老のムース」「鮎クレープ」「金柑アラモードのタルト」「秋恋桃のマリネ」などのメニューからなり、松本さんや生産者によるトークセッションを交えて、15人に提供。素材を生かし、おいしさを引き出す工夫が凝らされた品々に、感嘆や称賛の声が上がった。

生産者からは、食材づくりの工夫やこだわりの他、「売り先が決まれば生産者は安心でき、喜ぶ。梅やミカンだけじゃない、和歌山の多様な生産者を発信したい」「生産者だけでは多くの人に届けることはできない。松本さんのような超一流シェフに使ってもらい、食材を知ってもらうきっかけになるのはうれしい」などの話があった。

松本さんは「和歌山の地域ならではの食材だけでなく、生産者が丁寧に心を込めて出来上がっている食材が数多くある」と和歌山の食の魅力を語り、「一つひとつに思いを込めて作られているものを広げていくことが、世界の食のサステナビリティ(持続可能性)につながる。(今回の取り組みは)一人ではできず、チームだからできたこと。和歌山以外の地域や料理人、生産者にも広げるきっかけになれば」と話した。

食材提供の事業者は次の通り。

大瀬戸水産▽OGATA養殖技術研究所▽小川農園▽カネナカ水産㈱▽紀州和華牛協議会▽藏光農園▽コパンドゥフロマージュ▽しかたらむかな▽ミヤタピーチ▽山利