

世界へ魅力を発信 大阪・関西万博で和歌山DAY
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大阪・関西万博(大阪市・夢洲)での和歌山県の催事のフィナーレを飾る「和歌山DAY」が3日、開催され、県ゆかりのアーティストや文化団体によるステージ、和歌山文化協会や県内高校生による芸術作品の展示など、和歌山の文化の力を結集したイベントがEXPOホール「シャインハット」などを会場に繰り広げられ、魅力あふれる和歌山を世界に発信する一日となった。
【写真】りら創造芸術高校生らが空海の若き日の物語をミュージカルで表現
昼・夜の各部を別会場で実施し、昼の部「こころの旅路はじまる」は午前10時半にシャインハットで開幕。宮﨑泉知事があいさつし、「和歌山の宝を皆さんと味わう一日になる。魅力を体験し、ぜひ和歌山を好きになってもらいたい」と呼びかけた。
第1部「幾年もの時が奏でる物語」では、史上初の女性ソロ尺八奏者としてメジャーデビューし、活躍を続ける橋本市出身の辻本好美さんが厳かで幽玄なオープニング演奏で聴衆を魅了。続いて、りら創造芸術高校(紀美野町)と銀河の森きのくに子ども舞台芸術劇団が、真言密教の聖地・高野山を開いた弘法大師空海の若き日の物語を描いた創作ミュージカルを上演した。
第2部「自然への崇拝、千年の祈り」では、県合気道連盟が、田辺市出身の植芝盛平が創始した合気道の演武を見せたのに続き、世界遺産である熊野三山に伝わる神事や芸能などが披露され、悠久の時を感じさせる厳かな祭事に、来場者は静かに見入った。
第3部「こころ整える天空の聖地」では、高野山の僧侶による声明(しょうみょう)と、和歌山児童合唱団による祈りの歌声が響いた。
最後に、那智勝浦町出身の歌手で〝冬の女王〟と呼ばれる広瀬香美さんがステージに登場し、和歌山DAYのために書き下ろしたオリジナル楽曲を初めて歌うなど、圧巻のパフォーマンスで会場を熱気に包み込んだ。
シャインハット内の2部屋では「紀の国わかやま美術展」を開催。一つは県内高校生が出品し、高校総合文化祭で入賞した写真や書道、美術工芸の作品15点が、訪れる人々を華やかに迎えた。
もう一室は和歌山文化協会が担当。会員たちが高野山や那智の滝など和歌山の名所、名物を題材に書道や絵画、俳句、生け花などの作品を組み合わせて展示し、水彩画や書道、生け花の体験コーナーも設けた。
入り口近くには、空海が差し残した杖が根を出し、大樹に育ったと伝えられている栄福寺(岩出市)の県指定天然記念物イブキビャクシンの支障剪定した枝を使った華道の作品が置かれた。歴史と風格を感じさせる姿に来場者は足を止め、個性豊かな作品が並ぶ会場を熱心に見て回っていた。
同協会華道部長の谷口麗甫さんは「和歌山の魅力、季節感をいっぱいに表現し、届けに来た。生け花など伝統文化は学ぶには時間がかかり、挑戦する人は少なくなっているが、元気やさまざまなものを頂けることを知ってほしい。万博会場はいろんな地域の多くの方に見てもらえるので、ありがたい」と話していた。
夜の部は午後6時から、和歌山市出身のロックミュージシャン・HYDEさんによるスペシャルライブ「EXPO2025OSAKA, KANSAI,JAPAN-WAKAYAMA DAY-」がEXPOアリーナ「Matsuri」で行われた。
会場では、ライブ前から和歌山の物産展、HYDEさんとミャクミャクのコラボグッズの販売、和歌山市のPR動画の上映などが行われ、にぎわいを見せた。