HOME 和歌山ニュース 起業促進、支援で連携 和歌山市など4社が協定

起業促進や持続的な産業振興、雇用創出などを目指し、和歌山市は23日、㈱紀陽銀行、日本貿易振興機構(ジェトロ)、香港を拠点とする世界的なベンチャーアクセラレーター「Brinc(ブリンク)」との4者で「スタートアップ・エコシステムの構築に向けた協定」を締結した。

【写真】協定書を手に(左から)岡澤代表取締役、原口頭取、尾花市長、土屋所長、庄本部長

地元企業の起業や新事業の創出、海外展開などの支援を行ってきた紀陽銀とジェトロ、アジア・中東を中心に、世界の有望な起業や新事業を伴走支援し、成長を加速させるアクセラレーター・プログラムを展開する法人であるブリンク、行政機関である市が連携することで、市内からイノベーションを起こす企業を輩出し、成長を促進するとともに、企業同士が協力して業務やサービスを補う「エコシステム」の構築などにより、市経済の活性化を図る。

自治体や企業による起業支援を目的とする個別の連携協定は全国に例が見られるが、今回のように公民の立場が異なる4者の連携による支援の枠組みは珍しいという。

協定での連携事項は、起業家育成に関すること▽スタートアップの創出とその成長促進に関すること▽スタートアップのための支援体制やコミュニティ形成に関すること▽市内企業の新事業創出と海外での事業展開の支援に関すること――などとなっている。

協定の締結式は市役所で行われ、紀陽銀の原口裕之頭取、ジェトロ和歌山貿易情報センターの土屋智洋所長、ブリンク・ジャパンの岡澤恭弥代表取締役、尾花正啓市長が協定書に署名。ジェトロの庄秀輝大阪本部長も立ち会った。

土屋所長は「これまでにない大変意欲的な協定であり、具体的な成果につながる取り組みにしていきたい」、岡澤代表取締役は「和歌山市からアジア・中東に進出していく企業を1社でも多く輩出していきたい」と意欲を話した。

原口頭取は「和歌山での起業はまだ少ない。世界と近いブリンクが枠組みに入っていることは大きなアクセルになる」と期待し、尾花市長は「人口減少下にあってスタートアップは経済を発展させる重要な要素であり、地域課題の解決にもつながる。市内でスタートアップが増え、日本の中でも注目される地域になればと思う」と述べた。