HOME 和歌山ニュース 挫折も力に飛べカイロス 応援ソングが話題

♪お前なら飛べるはずだ――。日本初の民間小型ロケット射場「スペースポート紀伊」(和歌山県串本町)で打ち上げ予定の「カイロス」3号機の応援歌が動画投稿サイトのユー・チューブで公開され、「聴くと元気になる」と話題になっている。

【写真】力強く歌うクリスティーナさん

制作したのは、和歌山市新和歌浦のアート施設「和歌浦芸術区」の総支配人・廣瀬茂之さん。新和歌浦を芸術の発信拠点にしたいと美術、音楽、演劇、ダンスなど幅広い地元アーティストに発表の場を提供。和歌山を舞台にした脚本を書き、自らで監督した映画をこれまで5本自主制作している。

廣瀬さんはカイロス初号機が打ち上げ直後に爆発、2回目も失敗に終わったのを見て「諦めずに次こそ絶対に飛んでほしい。その思いを歌にしてみんなで応援しよう」と考えた。

社会や自分に対する不満や矛盾などを曲にし、ユー・チューブで配信する同市のNaokiさんに「挫折しても頑張らなあかんという気持ちを歌にしてほしい」と依頼。

「もう嫌だと やめようかと そんなわけにはいかない」「飛んでくれ頼むから お前なら飛べるはずだ」――。

カイロスとともに自分をも応援する力強い言葉がつづられた「プラウド カイロス」という曲が出来上がった。

歌うのは同市で介護士として働きながら歌手活動をする、フィリピン出身のシンガー・クリスティーナさん(46)。20歳で歌手として来日。26歳で結婚し、歌を辞めて4人の息子を育ててきたが、34歳で離婚。介護士の資格を取得し、生活を支えている。

クリスティーナさんは「自分の人生に照らし合わせ『いろいろあっても諦めないで頑張ろう』という思いを込めて歌っている」と話す。

廣瀬さんは完成した曲に「全く違うジャンルの踊りを組み合わせたら面白くなる」と、紀の川市を拠点に活動するダウン症や発達障害などがあるメンバーで構成するちんどん楽団「トンカラポンガ」にバックダンサーを依頼した。

10月に和歌浦芸術区の屋上で海をバックにプロモーションビデオを撮影。ロケットが空に飛んでいくようなにぎやかで元気な作品に仕上げた廣瀬さんは「挫折した人、失敗した人、落ち込んでいる人の応援歌にもなっている。ぜひ一度聴いてほしい」と話している。

プロモーションビデオの視聴はこちらから。