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和歌山ニュース 地域情勢が一目で RESAS活用セミナー

地域情勢が一目で RESAS活用セミナー

公開日 2016.11.16

地域経済分析システム「RESAS」の地方創世への活用について学ぶセミナーが14日、和歌山市本町のフォルテワジマで開かれ、金融・観光業界の関係者を中心に約60人が参加した。和歌山社会経済研究所が県から委託を受けて初めて実施した。

RESASは昨年4月、地方創生に向けた各自治体の総合戦略立案に役立ててもらおうと、政府のまち・ひと・しごと創生本部が供用を開始。ビッグデータを活用しており、各地域の状況が短時間で確認できることから、行政に限らず産業や観光などさまざまな分野での活用が期待されている。

セミナーでは、同研究所の中西望研究部長がRESASの概要や活用の事例について解説。県内の社会状況について、統計に基づいて説明した。

中西研究部長はRESASについて、活用次第で地域が抱える問題に有効な対策を講じることができると強調。産業、観光、人口、自治体比較の4分野について深く知ることができ、活用を通じて明らかとなった傾向として、1人当たりの通勤時間が長い地域ほど出生率が低い、3世代同居の世帯が多い地域ほど、出生率が高いといったデータを紹介した。

県の現状については、黒字企業の比率が比較的高く、1人当たりの賃金も全国28位と悪くないが、1人当たりの労働生産性が低いと指摘。今後の振興が期待される観光については、訪れる観光客に占める近畿からの割合が大きく、四国や東海からの観光客は少ないと話し、広い範囲からの誘客の必要性を強調した。

RESASを活用することでそれぞれの地域の現状、課題を発見できることから、中西研究部長は「短時間で深い理解を得られる。1度試してほしい」と呼び掛けた。

政策研究機関に勤める大阪府堺市の王秀芳さんは「自治体間の比較が容易な点に加え、移動や消費の動向が分かる点に魅力を感じた。本格的な活用に向け準備をしていきたい」と話していた。