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130年前のひな人形 セツ美容室で飾る

公開日 2017.03.01

海南市野上中のセツ美容室に、130年以上前の明治時代のひな人形が飾られている。

同店を経営する森脇節子さん(79)の祖父で、旧中野上村の村長を務めた光三郎さんの妹・タミヱさんの誕生に合わせて明治18年に購入したものという。飾られることがなくなってからは蔵に保管され、30年ほど前に節子さんが蔵で探し物をしていた際に発見し、店に運んだ。

蔵から出てきた当初は、一対のひな人形とその子どもになる人形が箱に入っており、頭部が取れるなどしていたが、着物はきれいな状態だったため、頭部をつなぎ直し、ガラスケースに収めて当時の姿をよみがえらせた。

人形の髪は頭を黒く塗って表現されているため、長い時間を経て少し色が落ちているが、引き締まった細面の顔立ちとほほ笑みは当時のまま。女びなは細やかな飾りが付いた華やかな冠をかぶっており、繊細な模様の着物を身に着けている。男びなも丁寧に模様が表現された着物に冠を着けているが、笏(しゃく)は持っておらず、刀も携えていない。男びな、女びなの子どもとなる小さな人形も対になって飾られている。

節子さんは「130年の時を越えて残っている珍しい人形なので、いつでも見に来てもらえたら」と話している。

セツ美容室は午前8時半から営業。毎週月曜と第1火曜、第3日曜は定休。問い合わせは同店(℡073・487・2840)。