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和歌山ニュース 稱念寺本堂など6件追加へ 国登録文化財

稱念寺本堂など6件追加へ 国登録文化財

公開日 2017.03.21

国の文化審議会(馬渕明子会長)は、県内の正住寺(和歌山市東長町)の離れ座敷、稱念寺(同市加太)の本堂と山門、宮﨑家住宅(同)の主屋、土蔵、長屋門の、3カ所6件の建造物について、登録有形文化財にするよう文部科学大臣に答申した。これにより、県内の登録有形文化財(建造物)は73カ所212件となる。
正住寺の離れ座敷は、もとは橋本市で有力な池永家の離れ座敷として大正9年(1920)に建設されたもので、平成25年に同寺が移築。桁行六間、梁間三間半の規模で、寄棟造桟瓦ぶき、平屋建、平入の建物。建築当初の形式や仕様がよく残されており、貴重という。
稱念寺の本堂は寛政7年(1795)に建築されたと伝わる。木造平屋建、入母屋造、本瓦ぶきの規模の大きな七間堂で、明治40年(1907)、和歌山城下の新中通にあった真光寺の本堂を同寺へ移築した。内陣は美しい彫刻や彩色で見応えのある荘厳な空間になっている。山門は江戸時代末期に建設されたと見られ、小規模ながら豪華な総ケヤキ造りで、建築的価値が高いと評価された。
宮﨑家はかつて綿布製造業で栄え、主屋は木造2階建、入母屋造、桟瓦ぶきの町家建築。大正7年(1918)建築で、作業場として使われていた2階外壁の銅板張の重厚な折戸が外観の大きな特徴となっている。
土蔵は木造2階建、土蔵造、屋根は切妻造、本瓦ぶき。
長屋門は木造平屋建、切妻造、桟瓦ぶき。長く加太のまちなみの代表的な建物として親しまれ、歴史的景観に寄与している点が評価された。