こだわり生地で新ブランド 萩原メリヤス

インディゴ刺子風ジャケットを身に着ける千晴さん

創業約60年の老舗ニット生地メーカー、萩原メリヤス㈱(和歌山市西、萩原朗史社長)は、上質のオリジナル生地とデザインを特長とするアパレルブランド「WORTHNESS CLOTHING(ワージネスクロージング)」を昨秋立ち上げ、30代後半の年齢層を主なターゲットに事業を展開中。先月には米国ラスベガスの展示会に出品するなど、挑戦の幅を広げている。

同社は昭和30年に創業し、日本有数のニット産地である和歌山で、かつては昔ながらのつり編み機を使った最大手。長年のノウハウから、空気を含みながら編み上げて豊かな風合いを生み出す製法の知識を生かし、独自の「ジャガード編み機」を開発した。伸縮性、吸汗性などに優れた厚手のスウェット生地を、さまざまな柄入りで編むことができ、国内外有名ブランドの生地を製作している。

「ワージネスクロージング」は「価値ある衣服」を意味する。萩原社長(58)は「糸の原料とする綿の繊維の長さにまでこだわり、独特の風合いの生地を織っている。その価値が分かる人に受け入れられたら良いと思っている」と考えており、数年前から、ファストファッションに飽きた人たちの嗜好を満足させる良質の品が必要と感じてきたことが、新ブランド立ち上げのきっかけとなった。

取引のあるアパレル業者から、上質で個性的な生地を要望されたり、海外の顧客から生産工場の見学の要望があったことなどから、コスト優先の現代日本のファッション業界の風潮の中でも、わずかなニーズの変化を見いだせたという。

こだわりの生地をジャケットやパーカーなどに仕立て、先月20~23日には米国ラスベガスのコンベンションセンターで開かれたアパレル展示会「ソーシングアットマジック」に出展。萩原社長の息子の千晴さん(25)が現地に出向き、「インディゴ刺子風ジャケット」などを紹介した。現地の仲介業者と契約を結び、ことしの秋から営業活動を始める予定。

萩原社長は「ものづくりをしている、うちのような企業が踏ん張らなければ、価値あるものが途絶えてしまう。良いものを身に着け、良いものが分かる人を増やしていきたい」と話し、ターゲット層へのメッセージを込めた製品作りに情熱を燃やしている。

記事元: わかやま新報 ※掲載記事内容は記事提供元で過去に掲載された内容になります。