全国でも珍しい菓子の神様「田道間守命(たぢまもりのみこと)」を祭る橘本神社があることなど、菓子とゆかりの深い海南市を多くの人に知ってもらおうと「第1回かいなんお菓子まつり」が2日、大野中の市わんぱく公園で初めて開かれ、親子連れら1万人を超える来場者でにぎわった。
食の文化、歴史を通して地域活性化に取り組む「鱧の街・菓子の街海南プロジェクト実行委員会」が主催。実行委の菓子店などでつくる「菓子グループ」が中心となってイベントを企画した。
会場には市内の菓子店などが23のブースを出店。大阪市のフルタ製菓も参加し、同社は人気の菓子「セコイヤチョコレート」の模型の装飾が特徴的な自動車「セコイヤカー」2台も展示。子どもは記念写真を撮るなどして、ブースを楽しんでいた。
また、田道間守命が同神社(下津町橘本)近くの「六本樹(ろっぽんじゅ)の丘」に植えた橘は、ミカンの原種、菓子の起源とされていることから、同グループは橘を使った菓子を詰め合わせた「おかしのかみさまセット」を50セット限定で予約販売し、完売。急きょ30セットを当日販売し、売れ行き好調だった。
桜をテーマにした生菓子づくり、田道間守命の歴史が分かる読み聞かせなど、菓子にちなんだ催しが多彩に繰り広げられた他、「お菓子の街海南」のイメージキャラクター「海ニャン」をパネル展示。最後は公園入口にスタッフが立ち、子どもたちに菓子を手配りした。
菓子グループの野田智也代表(40)は「子どもたちにお菓子の神様、橘本神社、橘を知ってもらいたい。『海南はお菓子のまち』と、地元に愛着をもってもらえたら」とにっこり。「さまざまな反省点や課題も見つかったので、来年につなげていきたい」と話していた。