秘湯マニアの医師が指南 佐々木さんが出版

「医者も勧める〝温泉中毒〟の世界へどうぞ」と佐々木さん

「紀州の温泉博士」こと、元海南医療センター副院長の佐々木政一(まさかず)さん(67)が、『秘湯マニアの温泉療法専門医が教える 心と体に効く温泉』を中公新書ラクレ(中央公論新社)から出版した。湯の効能に加え、温泉にまつわる言い伝えや歴史、文化まで幅広く網羅した内容で、佐々木さんは「この一冊で温泉のことが全て分かり、あなたも温泉博士になれます。温泉の魅力にどっぷり浸かってみませんか」と呼び掛けている。

「温泉は人生の友」と言うほど、温泉をこよなく愛する佐々木さん。消化器外科医で、日本温泉気候物理医学会が認める温泉療法専門医でもある。

学生時代から温泉に親しみ、24歳で医師になってからは休日などを利用し、全国217カ所の他、海外3カ所の温泉を巡った。2015年から3年間にわたり、本紙に「温泉雑学講座」を連載した。

同書は連載を大幅に加筆・修正して収録。お気に入りベスト5を含む、22カ所の温泉を選定している。佐々木さんが好むのは、山奥や交通の便が悪い場所にあり、あまり人が行かないような秘湯。遊覧船でやっとたどり着く険しい渓谷沿いの温泉、傾斜のある高低差170㍍をケーブルカーで下った先にある露天風呂など、マニア心をくすぐる穴場を紹介している。

入浴の際は泉質を必ず確認。湯の感触やにおい、味をチェックするという。1泊2日で4回入浴したことも。広々とした場所でゆったりと湯に浸かるのは「日頃味わえないぜいたく。忙しい日々から解放され、心も体も存分に癒やされます」。

専門医の立場から、温泉が体に与える効果や作用を解説し、「温泉の正しい入浴法10カ条」として、温泉の効果を無駄にしない温泉の入り方を伝授。その他、「日本三古湯逍遥」「文学の舞台となった温泉」「武将が愛した、癒しの温泉」などで構成し、史書や歌集、文学作品から温泉をひもとくなど、万葉歌や歴史にも精通する佐々木さんならではの視点を加えている。

「医学が証明する物理的な効果など、温泉の基礎的な知識を身に付けてもらえれば。ぜひこの本を手に、温泉巡りを楽しんで」と話している。

新書判、264㌻。929円(税込み)。インターネット通販や、和歌山県内の主要書店で取り扱っている。

記事元: わかやま新報 ※掲載記事内容は記事提供元で過去に掲載された内容になります。