がん診療拠点の高度型に指定 日赤和歌山

がん医療について語る平岡院長

厚生労働省は、地域のがん治療の中核を担う「地域がん診療連携拠点病院」に392施設を指定した。このうち、特に治療実績などが優れている「高度型」14施設に、日赤和歌山医療センター(和歌山市小松原通)が指定された。和歌山県内では唯一。平岡眞寛院長は「がん患者が多くなったいま、総合的な観点から全人的にみる病院が求められる。より一層がん医療の体制充実を図っていきたい」と話している。指定期間は2023年3月31日までの4年間。

国内のがん診療は、「がん対策基本法」「がん対策推進基本計画」により、全国どこでも質の高いがん医療を受けられるよう、全国にがん診療連携拠点病院が整備されてきた。

しかし、これらの拠点病院などの取り組みに格差があること、さらなる医療安全の確保が必要であることなどの課題が指摘され、今回見直しが図られた。

指定の要件は、がんの手術数が年400件以上、がんに係る薬物療法の延べ患者数が年1000人以上、緩和ケアチームの新規介入患者数が年50人以上であることなど。それぞれの病院の機能によって「高度型」「一般型」「特例型」に分類。「高度型」は、高度な放射線治療が実施可能で、がん相談や緩和ケアが充実していることなどを基準に指定された。

同センターには、がん放射線治療の第一人者で、京都大学医学部付属病院がんセンターの初代センター長でもある平岡氏が2016年に院長に就任。増加するがん患者に対し、手術、放射線治療、抗がん剤治療を中心に、高度な医療が提供できるよう体制を強化し、優れた技術、画像診断能力を有する専門医らで、質の高い医療を提供している。

「例えば私が専門とする放射線治療では、早期肺がんなどで、がんの部位だけをピンポイントに照射する『高精度放射線治療』が可能。体に負担が少ないため、高齢のがん患者が増加する中、有効な選択肢になると思います」。

昨年の10月には南館13階に緩和ケア病棟を開設。治療と併せて、がん患者の苦痛や不安を和らげる医療にも力を入れ「たとえ病が治らなかったとしても、その人が心安らかに人生を全うできるようにしたい」と話す。

また、多岐にわたる患者と家族のニーズに対応する、がん相談支援センターの充実も高い評価につながった。同センターでは、患者の就労支援などを含めた人生設計の相談にも応じている。

一方で、県のがん死亡率は全国ワーストの上位。がん対策を積極的に進める必要性を強く感じ、少しでも早い段階で見つけられるよう、検診にも力を入れる。

平岡院長は「これまでのがん医療は、専門病院が中心でしたが、合併症なども考えると、総合的に幅広く支えることが必要。生活のサポートを含めた医療体制を強化していきたい」と話している。

記事元: わかやま新報 ※掲載記事内容は記事提供元で過去に掲載された内容になります。