週末は「出張わた菓子職人」 海南市の伊東さん

子どもを綿菓子で笑顔にする伊東さん

お祭りや花火大会など、夏は人が集まるイベントに屋台が並び、子どもたちの心が躍る季節。平日は会社員として働き、週末は「出張わた菓子職人」として活動する人がいる。和歌山県海南市重根の伊東拓也さん(33)は、子どもから「綿菓子おっちゃん」と親しまれ、出店の売上はお菓子やおもちゃなどにして児童養護施設や子ども食堂の支援に充て、子どもに笑顔を届けている。

活動を始めたのは6年前の知人の子どもの誕生日のお祝いがきっかけ。「子どもさんを喜ばせたい」と業務用綿菓子機を購入した。知人の子の反応が良かったことから「もっと子どもを喜ばせたい」と和歌山市や海南市を中心に「お菓子のきりん堂」として出店し、すぐに人気を集めた。

約2年前から心理カウンセラーの勉強も始めた。「メンタル心理カウンセラー」として、不登校や引きこもりの子どもに得意の英語などを指導し、悩みや相談を聞くなど活動の幅を広げている。

「子どもを一人の確立した人間として接することが大切」と伊東さん。例えば悪いことをした場合でも、すぐに行為を否定せず「この子は何を言いたいのか」「どうしてその行動になったのか」など、共感的に子どもの話に耳を傾けることで行動の意図や原因といった根源的なものが見えてくるという。

「大人は子どもに対する認識を変える必要があると思う。子どもはよく大人を見ているし、よく考えている。同じ目線でしっかりと話を聞くことが大切」と力を込める。

子どもとの距離を縮める道具として、伊東さん手作りのマスコット人形「カコちゃん」も活躍する。言葉を使わなくても、カコちゃんを指や鉛筆にはめて、ふれあうことで情緒的な交流ができ、コミュニケーションが深まるという。

伊東さんは「人を疑いやすい子どももいるが、他人を少しでも信頼してもらえるように、お菓子おっちゃんは頑張りたい。将来の夢は児童養護施設をつくることです」と意気込みを語っている。

8月14日に海南市の「下駄市」、9月14日に同市である「妖怪ナイト」、10月12、13日に同市での「やきとりんぴっく」、11月17日には紀美野町の世界民族祭で出店を予定している。

記事元: わかやま新報 ※掲載記事内容は記事提供元で過去に掲載された内容になります。