和大ソーラーカーPJ 太洋工業が技術支援

和歌山大学ソーラーカープロジェクトのメンバーと太洋工業の皆さん

和歌山大学ソーラーカープロジェクトが、2021年に世界最高峰のレースへの出場を目指している。今月3日、三重県の鈴鹿サーキットで開かれた「ソーラーカーレース鈴鹿2019」では、5時間耐久レースの最上位クラス「オリンピア」部門に初参戦し、5時間7分22秒で58周の5位。来年は表彰台を狙い、2年後の世界参戦に向けてチャレンジを続ける。

和大は2016年に「ソーラーカーレース鈴鹿」に初参加し、4時間耐久レースで優勝を飾り、その後も2位、3位と3年連続で表彰台に上ってきた。

今回からランクを上げ、5時間耐久レースに変更。出場クラスは三つのうち、資金力など総合力で上回る社会人チームと対戦する国内最高峰の「オリンピア」への挑戦を決めた。

結果は、オリンピアの12チーム中5位で、ドリーム、チャレンジの3クラスを合わせた総合では22チーム中9位。同じ大学生でオリンピアに参戦し、3位だった芦屋大学とのラップはわずかに1周差で、表彰台こそならなかったが、上位の力を見せた。

レースに向けて学生たちは、1年前から広報・総務・営業活動、車体の設計、電気関連などの班で役割を分担し、準備を進めた。製作費などの資金を調達するため、約半年間かけて、地元企業へ企画書を持ってプレゼンテーションに回る日々は特に苦労した。協賛企業として18社がスポンサーとなり、ようやく車体の製作に着手できるようになった。

協賛企業の太洋工業㈱(和歌山県和歌山市有本、細江美則社長)は、昨年の資金提供に続き、今回は技術支援も併せて実施。薄くて軽く曲げに強い基盤を手掛ける同社は、フレキシブルプリント配線板(FPC)を提供するとともに、社内にプロジェクトチームを立ち上げ、走行中のデータをリアルタイムで把握するための基盤などの開発を、学生と共に進めた。

レースでは、前日の予選まで正常に動作していた遠隔測定のシステムが直前に動作不良となり、代替品で本番に臨むトラブルもあったが、チームは一丸となり、発電量と消費電力などを調整して少しでも長く走行できるように戦略を立てながら、無事に5時間を走破した。

和大ソーラーカープロジェクト代表の入交(いりまじり)優さん(3回生)は「知識ゼロからスタートした中で、開発面では電気抵抗の削減などに苦労した」と振り返る。準備期間が短く、広報担当の村松さららさん(3回生)は「走行させることに周囲から否定的な意見もあった」と話したが、「オリンピアクラスへの挑戦は、次につながる内容だった」と手応えを感じている。

太洋工業の大地隆司さんは「学生への支援は大きく捉えれば人材育成の一環といえる。資金のみを提供するよりも、和歌山の企業として本業の得意分野を生かした技術的な支援ができれば、地元大学へより大きな貢献ができると考えた」と話し、基盤製作に携わった松岡一樹さんは「初めて技術支援をさせてもらったが、短い時間の中での対応となり、最終的に詰め切れなかったのが大変悔しい。来年の出場までに、学生さんの要望を受けて良い成績を残せるように取り組んでいきたい」と、継続した支援で来年を見据えている。

和大ソーラーカープロジェクトは来年もオリンピアクラスに参戦し、表彰台を目標に掲げる。弾みをつけ、21年にはオーストラリアを1週間かけて縦断する世界最高峰のレース「ワールドソーラーチャレンジ」の出場を目指し、メンバーの戦いは続く。

記事元: わかやま新報 ※掲載記事内容は記事提供元で過去に掲載された内容になります。