遊びで生活技能を訓練 児童発達支援ポニー

笑顔の絶えない訓練室で岡さん㊧岩橋さん㊥

動き回る、字が書けないといった発達が気になる子どもとその家族を支援する施設「児童発達支援ポニー」が10月、和歌山県和歌山市新在家に新築移転した。明るく家庭的な室内に専門スタッフが常駐し、遊ぶことを通じてより充実した生活技能訓練や運動療法が行われている。

同施設は、県が指定障害児通所支援事業者に指定しているNPO法人和歌山勝手連ネットワーク(得津修司理事長)が運営し、2017年12月1日、同市鷺ノ森堂前丁のビルの一室で活動をスタート。利用者が当初の2人から約50人に増加したことから、同ネットワークが新施設の創設に尽力した。

新しい施設は住宅のような2階建てで訓練に使うのは、天井からロープでつるしたブランコや、跳躍機具、バランスボールなどが配置された開放的なフロア。臨床発達心理士、特別支援教育士など5人のスタッフがそろっている。

言語聴覚士の岡美代子さん(63)と、作業療法士の岩橋朝子さん(30)によると、読んだり書いたりできないという学習障害のある児童は不器用なことが多いが、遊びながら運動機能を高めることで改善される例も多いという。

ブランコは片方を高くしてよじ登ったり、回転を楽しんだりすることができ「大喜びで遊んでいるうちに平衡感覚や手首の力をつけることができます」と、専門家の視点で一人ひとりの課題を見つけながら訓練のプランを立てている。

また保育所や学校に出向き、集団生活の規律を指導する立場にある人たちへの、発達の気になる児童との関わり方の相談事業も実施。話せない、人の話が聞けず走り回る、縄跳びが全くできないなど、成長段階それぞれの悩みについて「行動の結果として叱られることが多くなると、子どもは自己肯定感が持てなくなり、健全な心の発達が妨げられるのです」と話す。

岩橋さんによると、縄跳びができない児童について、「やる気がない」と叱られる例が多いが、その場で跳ぶ、手首を回すなどの動作を訓練するうち、ほぼ全員が跳べるようになる。スタッフらは「保護者のニーズに応じて家庭訪問も交えて支援していきたい」と、困り事を抱えている児童や家庭に心を寄せている。

利用対象は未就学児から高校生まで。利用日は年末年始を除く火~土曜。営業時間は午前9時半から午後5時半まで。利用料は児童福祉法に定められた金額で、送迎はしていない。問い合わせは岩橋さん(℡073・463・7729、FAX073・463・0044、メールpony.1201@gaia.eonet.ne.jp)。

記事元: わかやま新報 ※掲載記事内容は記事提供元で過去に掲載された内容になります。