紀三井寺に閻魔大王像 信徒の赤土さんが寄進

閻魔大王像の開眼法要を行う前田貫主(右端が赤土さん)

西国三十三所巡礼の第二番札所、和歌山県和歌山市の紀三井寺(前田泰道貫主)に、新たに閻魔大王像が建立された。赤土建設㈱(同市毛見)会長の赤土恒和さん(92)が寄進し、16日、設置された楼門前で除幕と開眼法要が行われた。赤土さんは同寺の長年の信徒で、境内に仏像などを建立したいとの希望を、林泰行総代(紀三井寺ガーデンホテルはやし社長)を通じて前田貫主に伝え、寄進が実現した。

閻魔大王は西国三十三所巡礼の創始に深い縁がある。奈良県の長谷寺の開山、徳道上人が病気で仮死状態となり、冥土で閻魔大王に会った際、地獄に送られる悪人が増えているため、極楽往生できる三十三所の観音巡礼道を開くよう、33個の宝印を授けられたとされている。

閻魔大王像は赤御影石で作られ、高さ2・1㍍、幅2・8㍍、奥行き1・5㍍、重さは約6㌧。にらみつけるような厳しい表情で冠をかぶり、右手に尺を持つなじみ深い姿に加え、他に類がないという左手に宝印を手にした造形となっている。台座を含めると高さ3・9㍍の巨大な像で、参拝者がまずくぐる楼門の前で人々を迎える。

像に向かって右隣には赤土さんの筆による「宝印奉持閻魔大王像」の文字が刻まれた石碑が立ち、左隣には併せて建立された地蔵菩薩像が柔和な笑みを浮かべている。

開眼法要では前田貫主の導師で僧侶たちが法華経観世音菩薩普門品(観音経)などを唱え、約50人の参列者が一人ひとり焼香し、祈った。

赤土さんは、一昨年から4回にわたり入退院を繰り返しながら、健康を取り戻したことを話し、「神仏のご加護を忘れてはならないと教えられた。この聖地に閻魔大王像を寄進することができ、身に余る光栄。大勢の皆さまに参集していただき、本当にありがたい」と感謝の思いを語った。

前田貫主は「33個の宝印を持つ閻魔大王像はここにしかない。この像を目指して巡礼される方が出てくる。多くの皆さまを極楽往生へと導くことになり、功徳は大きい」と赤土さんをたたえ、感謝状を手渡した。

記事元: わかやま新報 ※掲載記事内容は記事提供元で過去に掲載された内容になります。