紀州へら竿の体験工房 22日にオープンへ

紀州へら竿の製作が体験できる(南海電鉄提供)

南海電鉄㈱、紀州製竿組合、橋本市は、南海高野線紀伊清水駅に開業する紀州へら竿の製作工房「匠工房」について、開業日が今月22日に決定したと発表した。

紀州へら竿はへらぶな釣り専用の釣竿で真竹、高野竹、矢竹の3種類の竹を組み合わせ、半年以上をかけほぼ全て手作業で作る。2013年には「紀州漆器」「紀州箪笥」に続く県内3番目の国の伝統的工芸品に認定された。

同駅は橋本駅と学文路(かむろ)駅の間にある木造平屋の無人駅で駅の近くを紀の川が流れる。駅の近くには製竿師の工房が多く、へらぶな釣りを楽しめる「隠れ谷池」もある。

同市は2019年に「アジアヘラブナサミット」を市内で開くなど、紀州へら竿の産地としてへらぶな釣りの魅力発信に取り組んでいる。市シティセールス推進課によると、へらぶな釣りの愛好者や製竿師の高齢化が進んでおり、同組合所属の製竿師も減少傾向で現在は30人ほどだという。同組合は複数の製竿師が交代で製竿師志望者を指導する施設「匠工房」を開設し後継者育成に取り組んできた。市と組合は後継者育成の推進と紀州へら竿のPRに向け、近くに多くの工房があり隠れ谷池もある紀伊清水駅に注目。南海電鉄に対して駅舎内への匠工房の移転を提案した。同課の安田秀幸商工サポート係長は「早く新型コロナが落ち着き、海外からも人が来てくれれば」と期待を寄せる。

工房では、紀州へら竿の製作工程のうち、竹を炭火であぶり、曲がりを矯正して反発力を高める「火入れ」と、刃やヤスリを使い穂先を削る「穂先削り」の2工程を体験でき、竹を使ったシャープペンシル作りも体験できる。竿の一部やシャープペンシルは持ち帰りが可能。紀州へら竿の展示と販売のコーナーもあり、同課によると、価格が10万円前後の竿を置く方向だという。

体験は小学校高学年以上が対象。参加費は、「火入れ・穂先削り」が2600円(税込み)、「竹小物作り」が3800円(同)。前日までにホームページからか電話で高野山麓ツーリズムビューロー(https://sites.google.com/koya36.com/takumikobo℡080・2420・8983)に予約する。展示の鑑賞や竿の購入は予約不要。

営業は火、水、木、土曜日の午前8時半~午後4時半。金曜日定休。1組5人以上の体験予約がある場合は月、日曜日も営業する。

開業後は工房に駐在する職人が駅構内の清掃、忘れ物の一時預かり、介助が必要な駅利用者の手伝いなど、駅係員業務の一部に協力する。同社の駅係員がいない駅でテナント運営と駅係員業務を一体的に運用するのは初のケースとなる。

記事元: わかやま新報 ※掲載記事内容は記事提供元で過去に掲載された内容になります。