誘客、ビジネス創出へ 県が万博へ方針発表
2025年開催の大阪・関西万博に向け県は4日、県の魅力を国内外に発信し、観光誘客の促進やビジネス機会の創出などを目指す県の取り組みをまとめたアクションプランを発表した。万博会場では、県の歴史・文化を発信する催事を企画するなどし、会場外では機運醸成や県への誘客プロモーションなどを推進する。
大阪・関西万博の経済効果は、アジア太平洋研究所の試算で約2・9兆円、県への効果は約210億円と見込まれる。
万博会場での催事については、「和歌山DAY」「和歌山WEEK」(いずれも仮称)と題し、県内の祭りをはじめ歴史や文化を先端技術で表現したり、学生や県ゆかりのアーティストによるパフォーマンスを発表したりする他、シンポジウムの開催、地場産業や森林保全など県に関係する多彩なテーマでの展示や物販などを想定している。
実施には万博会場内の大小さまざまな催事場を活用する。関西広域連合では、まとまって催事を進める方向で話し合いが進められているとのことで、具体的な内容は今後、検討していく。
県への誘客について岸本周平知事は同日の定例記者会見で、「(万博で)来られた時に和歌山にも来てくれ、では手遅れ」とし、来年1年間をかけて世界のマーケットへの宣伝、誘客活動をしていくと説明。国ごとに万博と和歌山の周遊プランを作成し、旅行会社やメディアに売り込み、チャーター便やクルーズ船の誘致も進め、県内と海外事業者との商談会なども企画する。
国内の誘客では、滞在期間延長や消費拡大を目指し、新たな商品の造成、体験コンテンツの磨き上げ、博覧会協会と連携したプロモーションなどを進める。
県内の機運醸成に向けては、関連イベントの開催や、各種イベントでのPR、博覧会協会の教育プログラムを通じた小中学校へのPR、メールマガジンを活用した県内企業へのダイレクトな情報発信などを行う。岸本知事は県内の子どもの万博参加を積極的に進める考えで、県としての支援方法なども検討する。
万博での実証運航を目指している「空飛ぶクルマ」について岸本知事は、国内外の航空当局による認証の手続きが遅れているとの認識を示し、「2年後(の万博)に認証が間に合うのか、利用者として見守りながら進めていきたい」と話した。
また、入場券の料金が正式決定し、会期中いつでも入場できる「1日券」で大人7500円などとなったことについて所感を問われた岸本知事は、過去の万博でも入場者数が少ない傾向がある会期前半の前売り入場券が安く設定されていることなどから、「7500円だけを取り上げて、どうこう言うのは違うのではないか」と述べた。