箱根駅伝で山の神を目指す!青山学院陸上競技部・若林宏樹選手【和歌山県海南市出身】
2024年1月に開催された「第100回箱根駅伝」で、圧倒的な強さを見せつけ、総合優勝を果たした青山学院大学。その“チーム青学”で、険しい山道「5区」を任され、好走した若林宏樹選手。「山の神」を目指し、奮闘する彼にインタビュー。
目次
陸上は中学からスタート
陸上部入部のきっかけは姉
ー陸上競技を始めたきっかけは?
中学校1年生から陸上競技を始め、きっかけは姉です。姉が陸上部に所属していて、「部員が少なくて、廃部寸前やから入部して!」と言われて入りました。実はバスケ部と悩んでいましたが…、姉の言うことは絶対なので(笑)。
ー走るのは元々得意だったんですか?
小学校の頃から、長距離走は得意でした。負けん気が強いのもあって、陸上が向いていたのかもしれません。当時、海南市は強い選手が多かったのも、やりがいを感じた理由の一つだったかも。
ー中学生時代、思い出に残っている大会はありますか
中学3年生で出場した、2017年「全日本中学陸上競技選手大会」と「京都産業大学長距離競技会」の男子3000mです。両大会で、和歌山県男子中学生新記録が達成できました!
高校は、陸上の名門校・洛南高校へ進学
ー高校の進学先に悩まれたそうですね
和歌山県内の複数校と京都の洛南高校からスポーツ推薦のお声がけをいただいていましたが…。“陸上1本”でがんばるのか、“それ意外の道”を歩むのか…、これからの人生を左右する選択だったのでとても悩みました。
ーその中で、洛南高等学校を選んだ理由は?
自分がどう生きたいのか考えた結果、「チャレンジしてみたい」と思ったからです。中学の進路面談で「京都に行く」と話した時、寂しかったからだと思うんですけど…、母が泣いてしまって。「がんばらないと」と、気が引き締まりましたね。
箱根駅伝が夢から目標に
陸上にかける熱量が変わった高校時代
ー陸上競技の名門校に入学し、変化はありましたか
部員の多さはもちろんですが、練習にかける熱量や時間がガラッと変わりました。環境に慣れるのは大変でしたが、負けん気の強さがここでも活きました。
ー「全国高校駅伝」には、1年生と3年生で2度出場されたんですね
1年生で出場した、初めての「全国高校駅伝」は少し苦い思い出。大きな大会で走れる楽しさもありましたが、自分らしい走りができなくて、悔いが残るレースでした。そして、悔しさをバネに出場した3年生での「全国高校駅伝」は区間3位に入賞できました。
ケガに苦しみ、葛藤した高校2年生
ー高校2年生は、フィジカル・メンタル共に苦しんだと聞きました
2年生はケガに苦しみ、葛藤の日々が続きました。「全国高校駅伝」についても、メンバー入りはできましたが、控えのままで出走できず…、本当に悔しかったですね。
ーでも「全国高校駅伝」終了後、監督からの一言で火がついたんですよね
控えメンバーで終わってしまった「全国高校駅伝」終了後、奥村隆太郎監督から「若林が変わらなければ、チームは勝てない」と厳しい一言があって。負けん気魂に火がつきましたね。「絶対に結果を出してやる」と燃えていました。
ーその後、競技との向き合い方は変わりましたか
人一倍練習に取り組みましたし、葛藤しながらも“走ること”について自問自答を続けました。今思えば、“箱根駅伝出場”が、漠然とした夢から目標に変わったのは、この頃からです。
青山学院大学に入学。1年生から箱根駅伝に出場
青学に入学し、1年生で5区を快走。「若の神」に
ー大学は青山学院大学に。決め手は?
青山学院大学に進学を決めたのは、箱根駅伝に出る夢が叶えられる場所だと思ったからです。憧れの選手、神野大地さんの母校だったことも理由の1つです。
ー夢だった「箱根駅伝」に1年生で出走されましたね
夢が1つ叶った瞬間でした。ですが、良い成績を収めた5区走者「山の神」にはなれず…。
ー原晋監督が「若の神」と名付けたことも話題に
原晋監督が、「『山の神』にはなれなかったけれど、良いところまではきた」と言ってくださって。由来は、「和歌山生まれの若さあふれる若林」だそうです。少し恥ずかしいですけど(笑)
箱根駅伝の「5区」にこだわる理由は?
ー若林さんが思う、駅伝の魅力って?
駅伝は走るのも、見るのも大好きです。区間ごとにストーリーがありますし、たとえ1区間だけタイムが早くても、それだけでは勝てない。チームの力で優勝に導くことができる点が魅力だと思っています。
ーその中でも「箱根駅伝」は特別?
そうですね。駅伝競技を走る大学生にとって、「箱根駅伝」は特別だと思います。僕が思う箱根駅伝の特徴・魅力は、“山があること”。駅伝大会で山道があるのは、箱根駅伝だけ。その5区は、予測不能な展開が起きておもしろいんですよ。
ーそれで、自身も5区を走りたいと
はい。箱根駅伝で走るなら、絶対に5区。と僕は思っています。どこの区間を走るかは、監督の采配なので僕の意志だけではいきませんが…。
競技はストイック、プライベートは動物好きな一面も
ー休日の過ごし方は?
疲れを取るために寝られるだけ寝て、リフレッシュするように心掛けています。
ーストレス発散方法は?
YouTubeでかわいい動物の動画を見ることです。動物は昔から大好きで、小学校低学年の頃、アドベンチャーワールドに行ったこともすごく覚えています!
ーアドベンチャーワールドで、特に印象的だった動物は?
パンダの赤ちゃんです。めちゃくちゃ可愛かったです!
ーストイックなイメージなので意外です!若林さんの性格を一言でいうと?
真面目なんだけど、結構めんどくさがりですね。子どもの頃は、静かでおとなしかったです。
ー地元・和歌山で行きたい場所はありますか?
ユーチューバーの「東海オンエア」が和歌山で旅をしていたので、聖地巡りをしたいです。
第100回箱根駅伝で青学は総合優勝。来年こそ「山の神」に
「第100回東京箱根間往復大学駅伝競走大会」で5区を出走
ー2024年1月に開催された「箱根駅伝」でも大活躍でしたね
2年生の「第99回箱根駅伝」は大会直前に体調を崩して、欠場してしまったので…、「今年こそは」という思いでした。雨の中でのレースでしたが、芦ノ湖のフィニッシュテープをトップで駆け抜けることができて良かったです。
ー2024年で4年生ですね。ラストイヤー、どんな走りをしたいですか
今度こそ「山の神」になりたい! という思いに尽きます。また、自分たちがチームを引っ張っていく立場になったので、後輩たちを、“走り”で引っ張っていけるようにがんばりたいですね。応援よろしくお願いします!
わかばやし ひろき/2002年9月3日生まれ、海南市出身。中学校から陸上競技を始め、17年「全日本中学陸上競技選手大会」と「京都産業大学長距離競技会」の男子3000mで、和歌山県男子中学生新記録を達成。洛南高校に進学し、現在、青山学院大学3年生。「箱根駅伝」では、98回(1年生)と100回(3年生)で5区に出場。インスタ▷@wakabayashi12345
和歌山県出身、スイーツをこよなく愛する編集者&ライター。おやつとそのお供・コーヒー&お茶の紹介はお任せあれ! 現代アートや韓国コスメ、ファッションも大好き。