近年、「こともの」と題したシリーズの作品に取り組んでいる美術作家・河野愛さんを迎えた、和歌山県立近代美術館の企画展「なつやすみの美術館14 河野愛 こともの、と」が、9月23日(休)まで開かれています。
会場を訪れて目を引くのが、展示室奥から入り口付近まで続く一筋の光。これは、河野さんの祖父母が経営していた、白浜町の古賀浦の老舗ホテルが閉館する際、取り外されたネオン看板の一部で、度々「I(アイ)」という作品として登場します(写真)。「異物と遺物」「異物と異者」「こどもとことば」「ものとこと」の4章で構成される展覧会は、河野さんの作品と同館所蔵の作品が、時代やジャンルを超えてシンクロし、連想ゲームのように展開していきます。
注目は、乳児の肌のくぼみに真珠を挟んだ様子の写真を用いたインスタレーション作品。それをモチーフにした日時計のような作品(写真)や、1歳未満の子を持つ母子を募り手掛けた新作(写真)などが並びます。
また、稗田一穗の「晩夏」(写真)、パブロ・ピカソの「母親の化粧」なども紹介されており、同館学芸員・青木加苗さんは「作品(もの)を、いろいろなことを想像しながら見る、という体験(こと)を楽しんでください」と話しています。
【会期】9月23日(休)まで
【時間】9:30~17:00(入館は4時半まで)
【休館】月曜、9月17日、23日は休館(16日、22日は開館)
【観覧料】一般520円、大学生300円
※高校生以下、65歳以上、障がい者手帳を持っている人、県内に在学中の海外留学生は無料
※第4土曜、5月25日と6月22日は無料
【関連イベント】
アーティスト・トーク
9月7日(土)14:00~15:00
ギャラリー・トーク
9月22日(祝)14:00~15:00
こども美術館部(小学生対象の鑑賞会)テーマ「こどもの、ど」
9月14日(土)、15日(日)※同内容
各日11:00~12:00、各回定員6人ほど
(同館のウェブサイトで、8月31日9:30から申し込み開始)
名称 | 和歌山県立近代美術館 |
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所在地 | 和歌山県和歌山市吹上1-4-14 |
電話番号 | 073-436-8690 |
営業時間 | 9:30~17:00(入館は16:30まで) |
定休日 | 月曜(祝日の場合は翌日) |
web | https://www.momaw.jp/ |
@moma_wakayama |
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