和歌山の「かげろう」と世界の「ゴディバ」がコラボ! 「かげろう チョコレート」2024年12月19日発売
ベルギーの高級チョコレート「GODIVA(ゴディバ)」と和歌山みやげの代表格「紀州銘菓かげろう」がコラボレーションした「かげろう チョコレート」。その味わいはいかに?
ベルギー発祥の高級チョコレートブランド「ゴディバ」は世界中で愛されているプレミアムチョコ。「かげろう」は和歌山県白浜町で1933年に創業した「福菱」の看板商品の一つで、紀州銘菓を名乗り、和歌山みやげといえばのお菓子です。そんな2社がどのようにして、コラボレーションするに至ったのでしょうか。
目次
「和歌山県」をブランディング、
全国的に認知度アップへ
「かげろう チョコレート」を企画したのは、和歌山市出身のサックス奏者で「和歌山市観光発信人」「すさみ観光大使」を務める岡なづきさん。「和歌山に明るいニュースを」「和歌山の認知度向上を」との思いで、世界のゴディバと地元の銘菓「かげろう」とのコラボをコーディネート。フランス大使館とのつながりのある彼女の衣装デザイナーを介して、「ゴディバ」にラブコールを送りました。
奇しくも、「ゴディバジャパン」は日本各地で活躍するシェフたちと新たなスイーツをつくり、月替わりで登場させる「ゴディバ マンスリー シェフズ セレクション」を3年ほど前から展開。これまでにも日本全国各地の銘菓とコラボした商品を期間・数量限定で発売しています。
愛媛県の「一六タルト」、広島県の「もみじ饅頭」、鹿児島県の「白くま」、沖縄県の「ちんすこう」などなど…。
岡さんの「和歌山県のために…」という熱意が伝わり、快諾してくれたそうです。その相手に福菱を選んだことについては、「和歌山にたくさんの名産品がある中で、何がゴディバさんに合うのか…。いろいろな会社の方にお話を聞いて、“紀州銘菓”を製造している老舗の福菱さん決めました」と岡さん。
2024年12月18日、岸本周平和歌山県知事に商品完成・発売を報告する、福菱代表取締役社長・福田裕希さん㊨、ゴディバジャパン常務執行委役員・阿部邦昭さん㊥、岡なづきさん㊧。
開発期間は約半年
「かげろう」に合うチョコレートに苦労
商品開発がスタートしたのは2024年の春。約半年で商品化から販売へとこぎつけたわけですが、福菱の4代目・福田裕希会長は、「試作を作ってはダメだしの繰り返しで、職人さんたちとバトルの日々。しばらく見たくないほど試食しました」と話します。
「かげろう」には、これまでにも「梅クリーム」や「コーヒー」などのコラボ提案がたくさんあったそうです。しかし、かげろうは1973年の発売以来、味を変えたことがありません。
「合わないんですよね生地が甘すぎて。だからその生地に合わせている、『かげろう』のバタークリームはそれほど甘くないんです。チョコレートをいかにビターにするか、そこに苦労しました」と福田会長。
サクッ、ふわっのかげろうの生地に
ビターなチョコクリーム
チョコレートの味わいに生地の配合を調整するのではなく、生地に合うようにチョコレートをビターに…。「生地をさわると『かげろう』ではなくなりますから…」と福田会長。さすが半世紀にわたって「和歌山みやげといえば」の地位を築いてきただけあって、そこは譲りません。
ゴディバジャパンの阿部邦昭常務も「チョコレートはなかなか難しい食材。組み合わせるのは本当に大変だったと思います。こんなにおいしいものに商品化していただいて、爆発的に売れてほしい」と話していました。
「和歌山県は今、ブランディングにものすごく力を入れています。和歌山にはすごくいいものがたくさんあるのですが、岡さんがおっしゃるように認知度が低く、残念ながらあまり広く知られていません。この『かげろう チョコレート』はすごくいいブランディング。福菱さん、我々も応援しますので世界で売りましょうよ」と岸本知事。
「かげろう チョコレート」を試食し、「大人な味ですね。県外の出張時に持参して自慢したい」と試食の感想を話しながら終始、岸本知事は笑顔でした。
和歌山県では12月19日から先行販売
全国販売は2025年3月から
「かげろう チョコレート」は、2024年12月19日から、和歌山県内のゴディバショップ(近鉄百貨店・イオンモール和歌山)で販売されています。また、2025年3月には、全国のゴディバショップでも販売予定(数量限定、なくなり次第終了)。価格は2個入り561円、10個入り2376円です。
※白浜町の『福菱本店』や『Kagerou Cafe(かげろうカフェ)』での取り扱いはありません
そのお味はいかに?
ロカルわかやま編集部で試食!
記者会見に出席したスタッフがお土産にといただいてきた「かげろう チョコレート」。さっそく試食してみました。
◆「ゴディバの」の濃厚なチョコの味わいが、「かげろう」の生地とうまく調和。口どけのよさとふわふわの食感で繊細かつリッチな味わい。どちらかというとチョコのうまさが際立っているかな~。ちょっと贅沢な自分へのご褒美おやつに購入したい。友達への手土産にもいいな。
◆かげろうのふわっとした優しい甘さの生地が、ゴディバらしい濃厚なチョコレートのおいしさを引き立てています。
◆甘すぎずビター過ぎない、濃厚なチョコレートがふわっとした生地と一緒に口の中で消えていく…。まさに「かげろう」のよう。
◆チョコレートがめっちゃゴディバの味。これはおいしいわ~。軽いので10個くらいぺろりと行けそう。バレンタインにもいいかも。でも、相手に2376円の価値、わかってもらえるかな~。
「かげろう」は一番売れている
和歌山みやげ?
「一番」を確証するデータはありませんが、以前、「和歌山のおみやげ厳選10品」のまとめ記事をつくるのに、和歌山マリーナシティと和歌山MIOの「黒潮市場」を取材した際、「断トツ1位で売れている」と広報の方が話されていました。きっと売れているんでしょうね。なんてったって日持ちがして、軽くてかさばらず、おいしいですもんね。
サクふわの生地にやさしい甘さのバタークリーム、口溶けやわからな独特の食感は唯一無二。気温や湿度に合わせて手作業で練る生地も、固まらないクリームも企業秘密だそう。
福菱本店に併設されている『Kagerou Cafe(かげろうカフェ)』では、「生かげろう」も販売。賞味期限が当日中なので、お土産には適していませんが、発売以来、爆発的ヒットを飛ばしています。『Kagerou Cafe(かげろうカフェ)』でしか買えないプレミアム感、SNS映えするキュートな見た目、手ごろな価格帯…。そりぁ、売れますよね。定番はもちろん、季節限定味も必食です。
今回の「かげろう チョコレート」の開発を機に、ぶどう山椒など和歌山の名産品を使って、「生」ではない本家本元の「かげろう」の新商品開発にも挑戦してみたいとのこと。
今はまだ和歌山県内でしか購入できない「かげろう チョコレート」。これからのシーズン、帰省土産やバレンタインにいかがでしょうか。希少価値が高いですよ~。
記者・ライター・編集者歴21年。硬派な記事も軟派な原稿も書きこなせるけれど、偏食家のためグルメレポは結構ツライ。ちょっと変わり物なので、独特の視点で表現するとよく言われ、その個性は大事にしつつ、正確な情報を伝えます。ビールが好き、韓国が好き!