梅の花の季節が到来!「南高梅の里」として知られる、和歌山県みなべ町の山奥におしゃれなカフェ「うめヲムスビ」がオープンしました。
梅干しや梅酢などを使い、梅が持つ力を最大限に引き出したランチが大人気となっています。その秘密を探りにいってみましょう♪
目次
まるで魔法にかけられたような
山奥のオシャレ空間
阪和自動車道みなべICを出て国道424号を北へ10kmほど進み、目印の看板が見えたら右折し、坂を上ったら小高い丘の上に建つ『うめヲムスビ』に到着です。
可愛らしい梅干しカラーの『うめヲムスビ』のロゴが入った暖簾をくぐり店内へ。センス抜群の店内は、まるでインテリアショップのよう。
まず目に飛び込んでくるのが、存在感のある和箪笥です。
店内は、観葉植物や古材を再利用したテーブル、座り心地の良い椅子など、センスあふれる小物がいっぱい! どこに座ろうか迷ってしまいます。
広々とした2階席にはダイナミックな大梁が。
ゆっくり自分時間を持って欲しいと、吊るしカーテンで他のお客さんと目線が合わない工夫も。
テーブル席、カウンター席、ソファー席。それぞれに違う魅力があります。今回は、眺望の良いソファー席でいただくことにしました(2階スペース)。
「食べれば分かる」
やさしい味わいの週替わりランチ
ランチは基本、週替わりメニュー。この日のランチメニューは、目にも鮮やかな、おむすび3種(梅塩・梅ちりめん・高菜とおかか)、ロール白菜のクリーム煮、豆苗ときゅうりのナムル、ナスの生姜焼き風、しみしみこんにゃくと牛すじ、豆腐サラダでした。
箸置きも梅。まんまるな可愛い“ヲムスビ3種”にキュン。
メイン料理の「白菜のクリーム煮」の白菜は、自家製白菜を使っています。
おむすびランチは、メイン料理が週替わりで、副菜はその時々で替わります。おむすびの美味しさはもちろんですが、ロール白菜の美味しさにも感動! 白菜の甘味が深く、中身のお肉もとっても柔らか。さらに、たっぷりの副菜で大満足でした。
豆腐サラダの野菜は、朝採れで新鮮そのもの。自家製塩麹ドレッシングを使用。
火曜日は週に一度のお楽しみ♪
「MIHOランチ」の日
毎週火曜日は、山本海帆さんの「MIHOランチ」の日。目にも鮮やかな腸活メニューがたっぷり入ったワンプレートランチで、週替りメニューになっています。
この日のメインは「塩麹豚の梅チーズカツ」。ほうれん草・白干し梅・チーズを、塩麹に漬けた豚肉で挟んで揚げています。
梅酢ポテトサラダは、酸っぱさは感じず、ポテトサラダの嫌な甘味がなく、さっぱりとしていてとても美味しかったです。早速、我が家でもポテトサラダには梅酢を入れることにしました。
そして、味噌汁が本当に美味しい。その秘密は、酒粕にありました。隠し味で入れている酒粕は美容にもとても良いのだとか。大根も自園で収穫したものを使っています。
窓からの景色もごちそうです。
ランチのテイクアウトもできます。
オーナーの熱い想いが
あふれる場所
平野圭寿代さんは、天然塩だけで漬けた本物の梅干しを販売している3代目平野農園の奥様です。
平野さんは「一番説明の要らないものが食」と言います。その言葉通り、『うめヲムスビ』でいただくものは、本当に何を食べても何だかとても美味しいのです。説明がつかないのですが、とにかく美味しいのです!
美味しさの秘密を知りたくて、平野さんに伺いました。「自家製塩麹の麹をはじめ、日本に数軒しかない本物のみりん、大吟醸の酒粕など、本物にこだわった調味料を使っています」と教えてくれました。
そして梅についても「塩味を強くするのではなく、縁の下の力持ちのように梅を使いたい。梅を前面に出すのではなく、隠し味的な使い方が【あの子】には合っていると思うのです」と話します。
【あの子=梅干し】のことで、とても愛を感じた瞬間でした。
平野さんにはもうひとつ「地域を活性化したい」という想いがあります。自身も4人の子育てを経験し、子育て中のお母さんが働く難しさを目の当たりにしてきたと言います。
『うめヲムスビ』で働くMIHOランチの海帆さんやスタッフは皆さん、子育て真っ盛りのお母さんたち。 小さな子どもがいると、急に熱を出して仕事を休まなければならないことも多々あります。そんな時でも気兼ねなく休める環境を作っていきたいと、平野さんは話します。
地域のHUBになる場所を目指して
取材に伺った日の『うめヲムスビ』には、ランチを食べに来ていたママさんグループ、コーヒーを飲みに来ていたご近所のおばあさん、注文していた持ち帰り用のおかずを取りに来た仕事帰りの女性など、さまざまな人が来店していました。
小さなコミュニティーだからこその悩みもあります。「働く場所だけでなく、その人の居場所を作ってあげたい。誰もが気軽にやって来て、本を読んだり、おしゃべりしたり、その人だけの席を用意してあげたい」と平野さんは話します。
ひっそりと山奥にある梅のような隠れ家カフェ『うめヲムスビ』という場所には、隠しきれない「愛」があふれ出ていました。根底にあるのは、とにかく梅の良さを広く知ってもらいたい、農業を通じて繋がりを作っていきたいという想い。
『うめヲムスビ』を、地域をつなぐHUB(結節点)のような場所にしていきたいという平野さんの願いは、もうすでに叶い始めているように感じました。
名称 | うめヲムスビ |
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所在地 | 和歌山県日高郡みなべ町島之瀬685-4 |
電話番号 | 090-7094-0623 |
営業時間 | 10:00〜16:00(カフェタイムは13:00から) |
定休日 | 土・日曜、祝日(他の休業日はインスタで告知) |
駐車場 | あり |
@umewomusubi |
和歌山の真ん中に住む、身体に良いことが大好きな生粋の和歌山県人。古いモノや古いモノに新しい風を吹き込んだお店が得意分野。ニッチな目線でこだわりの場所や人を紹介します。年間100泉が目標の温泉偏愛者。好きな言葉は、「源泉かけ流し」湯治文化を再生させるのが夢。