![天富](https://rokaru.jp/wp2022/wp-content/uploads/2025/02/00_1024-1.jpg)
年末に収穫したみかんを貯蔵庫で熟成させた後、翌年の1月下旬から出荷し始める「下津(しもつ)蔵出しみかん」。みかんはお正月ぐらいまで…と思っているアナタ、ジューシーで甘~い「蔵出しみかん」が、春まで楽しめるんですよ!
「蔵出しみかん」とは?
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海南市下津町のみかん農家に古くから伝わる「蔵出し技術」で生み出される『蔵出しみかん』。12月初旬から年明けまでに収穫したみかんを、各みかん園にある木造・土壁の貯蔵庫にすぐさま運んで木箱に入れて約1~2ヵ月の間、熟成。その間に、とろ~り、まろやかな、糖度の高いみかんに仕上がるのです。
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JAながみね下津総合選果場では、光センサーを通して糖度を判別。超高級、高級、レギュラーの3ランク別に出荷しています。
下記の「とれたて広場」や「海南サクアス」のほか、関西から北海道までのスーパーや小売店などで、例年3月ぐらいまで販売されます。
ファーマーズマーケット とれたて広場
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JAながみねが運営する産直市場。地元農家が朝一番に運んだ新鮮な野菜や果物を購入することができます。自宅用の袋入りから、贈答用の箱詰めされたみかんまで、所狭しと並ぶ姿は壮観。
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2025年1月11日に行われた「蔵出しみかんキャンペーン隊結団式」の模様。
名称 | ファーマーズマーケット とれたて広場 |
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所在地 | 和歌山県海南市重根西2-3-5 ![]() |
電話番号 | 073-487-0900 |
営業時間 | 9:00~17:00 |
定休日 | 水曜、年末年始 |
駐車場 | あり(約240台) |
web | https://www.ja-nagamine.or.jp/market.html |
道の駅 海南サクアス
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蔵出しみかん農家のすぐ近く。果樹産地ならではの多彩な果物が、産直マルシェに並べられています。地元産果物を使ったスイーツや、新鮮な海産物も豊富。フードコートでは、魚介類の定食や丼が人気です。
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海南市PRキャラクター「海ニャン」がお出迎え。
名称 | 道の駅 海南サクアス |
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所在地 | 和歌山県海南市下津町小南51-1 ![]() |
電話番号 | 073-492-1093 |
営業時間 | 9:00〜17:00 |
定休日 | 年末年始を除く |
駐車場 | あり(152台) |
web | https://sakuas.com/ |
@kainan_sakuas |
![迫力満点!マグロの解体ショー&即売【和歌山マリーナシティ&海南サクアス】](https://rokaru.jp/wp2022/wp-content/uploads/2025/01/0518b29fcdebe53a079c0ca3c76bd537-640x480.jpg)
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日本農業遺産認定の
「下津蔵出しみかんシステム」
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和歌山市中心部から、車で国道42号を南下すること約30分。海南市下津町に入れば、山の急斜面に作られた段々のみかん畑を目にしますね。
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山の急斜面に天然石が積まれ、段々畑を形成。足場と耕地面積が確保され、生産性が高い農地になっています。頂上の雑木林から、ため池、川、海に至るまで、多様な動植物の生育環境が保全。野生動物が多く集まり、害虫駆除の役割を担わせるなどによって、共生関係を築いています。
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みかん農家は、みかんを貯蔵する際、湿度と気温の安定に細心の注意を払っています。みかんの表情を見て、水分が多いようなら貯蔵庫の扉を少し開けて風を入れ、逆に乾燥しているなら土間に水を打つなどで湿度を調整。温度は8℃前後から乱高下しないように工夫しているのです。
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下津の農家の強みは、集落農業を行っている点。農家同士がコミュニケーションを密にし、集落の畑は集落で守るという意識が高い。親から子への継承だけでなく、下津全体で技術が受け継がれています。
この持続性の高い農業システムを構築していることが評価され、2019年2月に「日本農業遺産」に認定されました。2025年2月現在、「世界農業遺産」にも認定申請中です。
日本のみかん発祥の地・下津
「古事記」や「日本書紀」によると、今から西暦71年に、第11代垂仁(すいにん)天皇の勅命で、田道間守(たぢまもり)が、現在の中国南部からインド方面にあたる常世国(とこよのくに)に渡りました。目的は、不老長寿の霊菓を手に入れること。
かの地で田道間守は、非時香菓(ときじくのかぐのこのみ)と呼ばれていた橘(たちばな)を得ます。橘はみかんの原種で、その木の実は「菓子」の起源ともされています。
勅命を受けてから10年あまり、田道間守はようやく帰国。しかしながら、垂仁天皇はすでに崩御していました。田道間守公は嘆き悲しみ、天皇の御陵(みささぎ)に橘を捧げ、命が絶えたとのこと。
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その橘が、日本で最初に移植された場所といわれる「六本樹(ろっぽんじゅ)の丘」(橘本神社旧社地)。この場所には、田道間守の功績をたたえる碑が建っています。
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「橘の根本」との意味から、この地域は「橘本(きつもと)」と呼ばれ、田道間守が土地の守護神として橘本神社に祭られています。
現在では『みかん・お菓子発祥の地』とされ、同神社で毎年10月に例大祭「みかん祭り」が盛大に開催。県内外の柑橘業者、果物業者が参拝し、渡御、獅子舞、餅投げなどが実施されています。
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※掲載の情報は「リビング和歌山1月25日号」(和歌山リビング新聞社発行)を元にしており、2025年1月中旬確認のデータになります
彷徨うEditor。昭和末期、新宿スタジオALTAから全国ネット放送出演3回、ツッコミ担当。20世紀末、和歌山ラーメンブーム仕掛け人の1人。