

【美浜町】「喫茶みはる」は地域に愛されて70年、居心地の良さを与えてくれる町の喫茶店
日本一短いローカル私鉄「紀州鉄道」の終点・西御坊駅から程近い『喫茶みはる』。まもなく創業70年。アットホームな雰囲気が魅力で、朝6時からどんな時もお腹と心を満たしてくれる、心強いみんなの喫茶店です。
地元で愛され70年の純喫茶

紀州鉄道西御坊駅から西へ。国道42号線を超えると『喫茶みはる』が見えてきます。
1956(昭和31)年創業の老舗。先代が始めた喫茶店を、現オーナーの西川千明さんが引き継ぎ、今の場所で『喫茶みはる』をオープンしたのが1988(昭和63)年のこと。喫茶だけでなく、ランチ利用など、どの時間帯に伺っても広い店内は、馴染みのお客さんで賑わっています。


特徴的なアーチ窓や三角窓が、ノスタルジックな気分を誘います。


明るく開放的な店内には、花や植物がいたるところに飾られています。
先代が始めた頃は、jazzや映画音楽が流れる中で、珈琲を嗜む粋な人の集まる場所だったのだとか。当時のお店は珈琲がメインで、軽食メニューはカレーとおにぎりだけ。軽食を希望するお客さんがだんだん増え、ヤキメシ、ヤキソバとメニューが増えていき、今では数え切れないほどの品数があるのも魅力の一つです。
どれにしようか迷ってしまう
豊富なメニュー
※2025年3月現在のメニュー表です





目移りして選び切れないメニューの数々。あなたは、どれにしますか? この他にも、ドリンクの種類も豊富です。
※2025年4月以降、価格が変更になる場合があります
変わらない味
不動の人気メニュー

創業時からの人気メニュー。注文を受けてから大きな鉄板で焼きます。和歌山市本町にあった「喫茶レインボー」からホットケーキのレシピを教わり、それを参考に千明さん自ら開発したのだとか。当時から小麦粉にこだわり、最上級のものを使っていました。

ふわふわで厚みがあるシンプルなホットケーキは、少しずつ改良を重ねながら、今も変わらない昔ながらのやさしい味で提供されています。

ホットケーキと並ぶ、創業時からの人気メニュー。

フレンチトーストというと、卵液に浸して焼いた柔らかいものを思い浮かべるかもしれませんが、喫茶みはるのフレンチトーストは少し違います。
卵を絡めた食パンを揚げ、グラニュー糖をまぶします。ドーナツとも違い、外はカリッと中はフワフワ。ほんのり甘くて、なんだか子どもの頃を思い出す懐かしい味です。
歴代人気メニューの変遷

『喫茶みはる』の魅力は、喫茶だけではありません。豊富なメニューが自慢で、何を食べてもおいしいのはもちろんのこと、良心的な値段だから、ランチ利用がとても多いのです。
テレビ番組「ふるさとZIP探偵団」(関西テレビ)で原田伸郎さんが紹介したことで人気になった、フワフワ卵のオムライス。「喫茶みはるといえば、オムライス!」というほどの大人気メニューになりました。サラダもたっぷり添えられています。

和歌山住みます芸人「わんだーらんど」(まことフィッシングさんは美浜町出身)が紹介したことで、人気に火が付いたカツサンド。カツとキャベツに自家製ソースが絡んで絶妙の美味しさ。一度食べたらやみつきに! 老若男女問わずファンが多く、リピーターが多い人気メニューです。

開業当時から人気の「自家製カレーライス」。ルーから作っていた開業当時のレシピを引き継ぎ、改良したカレーは、今も人気看板メニューの一つです。

ソースの美味しさが際立つ「ヤキソバ」は、アツアツの鉄板に乗って運ばれてきます。
親から引き継ぎ、娘へ

開店時間は、朝の6時。開店前からお店が開くのを待つ常連さんもいるのだとか。「とにかく休まず真面目にやってきただけ」と千明さん。朝の6時からオムライスを作ることも。
そんな早い時間から何十年と続けて苦労はなかったかと問うと、「皆さんのおかげ」と何を伺っても周りの人への感謝の言葉を話してくれました。サイフォン式で美味しい珈琲を淹れてくれます。
『喫茶みはる』の隠れた魅力のひとつに「レトロさと新しさ」の絶妙なバランスがあると思います。その魅力の一端を担っているのが、千明さんの娘さん“ともちゃん”こと青木智与さんの存在。千明さんが先代を手伝ったように、娘の智与さんも『喫茶みはる』を手伝うようになりました。智与さんの友達が書いた手書きのメニュー表など、センスの良さがあちこちに感じられます。

そして智与さんは、喫茶みはるの隣で『やちむんのお店 honobono』を開いています。こちらは、やちむん(沖縄の言葉で「焼き物」という意味)の花瓶。
美味しいものと居場所を提供

珈琲を注文するといつもお菓子をサービスしてくれます。レトロなパッケージが可愛い。

食事が終わった頃に、サービスで出してくれる梅昆布茶。
ついつい居心地が良く、長居しているとさりげなく梅昆布茶を届けてくれます。20年ほど前から続けているサービスで、その心遣いと梅昆布茶の優しさにホッとします。

親子3代にわたり地元の人に愛され、美味しいものと居場所を提供してくれる『喫茶みはる』。町に溶け込んだ愛される喫茶店は、時代のニーズに合わせ変化しながらも、これからも訪れる人に美味しく、心地良い時間を提供してくれる場所として続いていくことでしょう。
名称 | 喫茶みはる |
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所在地 | 和歌山県日高郡美浜町田井556−1 ![]() |
電話番号 | 0738-22-1747 |
営業時間 | 6:00〜17:00 |
定休日 | 火曜 |
駐車場 | あり |
@kissa_miharu |
和歌山の真ん中に住む、身体に良いことが大好きな生粋の和歌山県人。古いモノや古いモノに新しい風を吹き込んだお店が得意分野。ニッチな目線でこだわりの場所や人を紹介します。年間100泉が目標の温泉偏愛者。好きな言葉は、「源泉かけ流し」湯治文化を再生させるのが夢。