
地域の人たちに20年愛されてきた「紫香庵(しこうあん)」が2025年2月に和歌山市十一番丁に移転、リニューアルオープン。わらび餅やフルーツ大福…などなど、店主・須賀良知さんが作るこだわりの逸品には、長年のファンも多い。同店の和菓子のおいしさの秘密や和菓子作りの着想について、須賀さんにお話を伺いました。
創業20年の和菓子屋が
和歌山市十一番丁に移転

2004年の創業以降、和歌山市内で20年以上の歴史を紡いできた「紫香庵(しこうあん)」。2025年2月8日に和歌山市十一番丁に移転し、装いも新たにリニューアルオープンしました。

店内には同店名物のわらび餅やフルーツ大福などの和菓子が色とりどりに並びます。

「できたてのおいしさを届けたい」という想いから、同店ではお菓子の作り置きはせず、早朝から仕込みをしているそう。
お目当ての商品がある時は、電話で取り置きも可能です。
定番から変わり種まで
四季の移ろいを和菓子で味わう

わらび餅は定番のものから、沖縄産の黒糖を使用した「黒糖わらび餅」(350円)や、みかんやぶどう味の「フルーツわらび餅」(各400円)といった変わり種も。同店のわらび餅は上質なわらび粉で作っているので、冷蔵庫に入れてもふわふわの柔らかい食感のまま。夏は凍らせて食べたり、甘酸っぱいフルーツわらび餅はサイダーに入れて食べるのもオススメです。
2025年4月には、和歌山の特産品・ぶどう山椒を使用した「山椒わらび餅」(500円)が登場。こちらは海南市の「山本勝之助商店」とのコラボ商品で、優しい甘さのわらび餅と、ピリッとしびれる辛さの山椒の組み合わせが新感覚です。


フルーツ大福には旬の果物を使用しており、春の季節はやはり「いちご大福」が人気とか。新鮮ないちごと優しい味の白あんを上品な求肥で包んでおり、口に入れた瞬間幸せを感じる贅沢な逸品。

“溶けないアイス”と話題になった「くずアイスバー」。見た目は昔ながらのアイスキャンディーのようですが、くず粉を使用しているため、時間が経ってもぷるんとしたゼリー状に変化するだけで、アイスのように溶けません。
長年愛されてきたのは
“人とのつながり”を大切にしているから

優しい笑顔が印象的な店主の須賀良知さん。須賀さんは21歳から和菓子の道に進み、2004年に「紫香庵」を創業。それから現在に至るまで20年、お店に訪れるお客さんたちと親密な関係を築いてきました。
「お客さんとの会話の中で、新しいアイデアが生まれることもあります」と須賀さん。

水ようかんの土台の上を、和菓子や季節の果物で華やかに彩った和菓子ケーキは、「アレルギーがある子どもに誕生日のケーキを食べさせてあげたい」というお客さんの声から生まれました。和菓子ケーキには卵や小麦粉、乳製品を使用していないので、アレルギーのあるお子さんでも食べられると喜んでくれたそうです。またフルーツわらび餅も「わらび餅は好きだけどきな粉は食べられなくて…」というお客さんとのやり取りから発想を得たとか。
須賀さんは「もっと多くの人に和菓子に親しんでほしい」という想いから、同店を切り盛りする傍ら、各所で和菓子作り体験の講師もしています。「和歌山は和菓子の消費量が全国的にも少なく、『なにか僕にできることがないか?』と考え、和菓子に触れるきっかけになればと和菓子作りの講師をすることにしました」とのこと。
「お客さんに喜んでほしい。それが第一です」と話す須賀さん。“人とのつながり”を大切にしている須賀さんだからこそ、『紫香庵』は20年もの長い年月、たくさんの人たちに愛されてきたのではないでしょうか。
名称 | 紫香庵(しこうあん) |
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所在地 | 和歌山県和歌山市十一番丁27 ![]() |
電話番号 | 073-498-8801 |
営業時間 | 10:00〜18:00 |
定休日 | 無休(1月1日〜1月3日のみ) |
駐車場 | あり |
web | https://shikoan.net/ |
@shikoan_wagashi |
和歌山市出身・在住のフリーライター。おいしいものをこよなく愛し、ロカルわかやまではグルメ記事ばかりを担当。生まれ育った和歌山の‟素敵”を、もっと発信していきたいです。多趣味で、カフェ巡り・カメラ・ミニチュアフード作り・読書・映画鑑賞などが好き。