HOME イベント 【和歌山市でセミナー】もしもノートを活用して、始めてみよう“人生会議”

 11月30日は、厚生労働省が定めた「人生会議の日」。耳慣れない言葉ですが“人生会議”って何? 家族や身近な人と考えておきたい“もしものときに、自分が望む医療やケア”について。言葉にはしづらいものですが、ノートを活用する方法もあります。セミナーもあるので、この機会に考えてみましょう。

自分が大切にしていること
何度でも考え、話し合いましょう

人生会議漫画①
人生会議漫画②
人生会議漫画③
人生会議漫画④
人生会議漫画⑤
人生会議漫画⑥
人生会議漫画⑦
人生会議漫画⑧
▲和歌山市在住の漫画家・マエオカテツヤさん作


「人生会議」とは、「ACP(アドバンス・ケア・プランニング)」の愛称。厚生労働省が「ACP」の普及啓発と認知度向上のために愛称を募集し、2018年11月30日に「人生会議」と決定しました。

言葉の意味は、「アドバンス」は「前もって、事前に」、「ケア」は「医療や介護、世話」、「プランニング」は「計画すること」。つまり、将来の医療やケアについて本人が事前に考え、家族や身近な人たちと話し合っておくことです。このような取り組みがなぜ必要なのでしょう。和歌山県医務課で聞きました。

人生会議の畑本さん

「命が迫った状態になると、約70パーセントの人が医療やケアを自分で決めたり、周囲の人に伝えたりすることができないといわれています。誰もが、いつかは人生の最期を迎えるものです。そのときを自分らしく迎えるためには、どんな医療やケアを望むのかを考えておくことが大切です」と話すのは、同課地域医療班の医療技師・畑本満里奈さん(上写真)。

これからどう生きたいかを考える
自分のために、大切な人のためにも

“終活”は、いまや誰もが知る言葉ですが、人生会議との違いは何でしょう。
「身辺整理をしたり、葬儀やお墓、相続など、本人が亡くなった後のことを考えて準備するのが終活。人生会議は、これからどう生きたいかを考えること。そして、やがて訪れる人生の最終段階をどこで過ごし、どんな医療を受け、どんなケアをしてほしいかという希望を家族などに伝えておくことです」と話す畑本さん。

家族が遠方にいるなら帰省時などの機会に、一人暮らしならかかりつけ医や介護してくれている人たち、ご近所さんや友人でも、人生会議の相手は自分が信頼できる人。誰かに絞る必要もなく、自分の価値観を知ってもらい、いざという時、代わりに意思を伝えてくれる人と話し合います。「意思表示できなくなった本人に代わって、医療やケアを決める立場になった人の判断を助けるよりどころにもなります。自分のためでもあり、自分の大切な人のためでもあるのが、“人生会議”です」

そんな自分の人生を考えるきっかけになるのが、和歌山県が作成した「もしもノート」(上写真)です。

さまざまな「もしも」に役立つ
自分と家族の情報をまとめる

人生会議_和歌山県もしもノート中身

和歌山県がオリジナルで作成した「もしもノート」は、「わたしノート」と「かぞくノート」の2冊がセットになっています。開くと中に2冊収まるようになっています。

事前に考えておくのは良いことだと分かってはいても、自分の最期について実際にはなかなかイメージしにくいもの。また、例えば親に人生会議をすすめるにも「縁起でもない」って思われないかと踏み出せない場合もあります。「もしもノート」は、そんなきっかけづくりにもなります。

人生会議_和歌山県もしもノートわたしノート表紙
人生会議わたしノート_中のページ

「まず、わたしノートは自分のことを書き込んでいくためのノート。家族や友人のこと、健康状態や医療情報などの基本的なことと、資産や土地・建物、年金・保険など、終活になることも書き留めるようになっています。書き進めていくと“もしも”に備えたことを記入するページがあり、人生会議についての説明があります」と畑本さん。
「かぞくノート」は、家族の基本情報や連絡先などを書いておくためのもの。「何か緊急なことが起こったときに役立ちます」とも。

 「もしもノート」は、和歌山県医務課のホームページからダウンロードできます。
和歌山県ホームページ「人生会議してみませんか」

和歌山リビング新聞社は、2025年11月30日(日)にセミナー「やってみよう! 人生会議」を行います(参加費無料、下記参照)。参加者には、この「もしもノート」を配布。この機会に、人生会議について考えてみましょう。

人生会議の日・11月30日(日)にセミナー開催
「やってみよう!人生会議」参加者募集

「やってみよう! 人生会議」
主催:和歌山リビング新聞社
共催:和歌山県

【日 時】2025年11月30日(日)14:30~16:00
【会場】リビングカルチャー倶楽部フォルテ教室
(和歌山市本町2-1、フォルテワジマ4階)
【参加費】無料(参加者特典あり)
【定 員】30人 ※1度の申し込みにつき2人まで

人生会議_中谷匡登先生


講演「人生会議(ACP)ってなんだろう?~人生の最終段階を穏やかに過ごすために~」
講師:伏虎リハビリテーション病院(和歌山市畑屋敷東ノ丁)
理事長兼院長・中谷匡登さん

もしもの時、あなたが望む医療やケアを、大切な人と前もって話し合う“人生会議”。超高齢化社会を迎える和歌山における医療の現状を踏まえて話してもらいます。みんなで一緒に考えてみましょう。

人生会議の畑本さん

②「もしもノート」を書いてみよう
講師:和歌山県医務課・畑本満里奈さん

和歌山県が作成した「もしもノート」についての解説と活用法などのアドバイスを聞いた後、参加者それぞれが実際にノートに書いてみます。分からないこともその場で質問しながら、書き進められます。

セミナー参加者特典は
「もしもノート」や通院用サコッシュなど

診察券やお薬手帳、「もしもノート」もぴったりと収まるサコッシュ
人生会議のボールペン
人生会議_和歌山県もしもノート中身

11月30日(日)のセミナー「やってみよう! 人生会議」の参加者特典は、次の3つ

①和歌山県の「もしもノート」
②通院用サコッシュ(5色あり、好きな色を選べます)
③ボールペン

人生会議について理解を深め、「もしもノート」を書き進めてみましょう。

セミナーの申し込みは
フォーム、または電話かファクスで

セミナー「やってみよう! 人生会議」の参加申し込みは、専用フォームから。
「やってみよう! 人生会議」申し込みフォーム

フォームで申し込むのが難しい場合は、和歌山リビング新聞社まで電話、またはファクスで(下記)。
ファクスには、「人生会議セミナー」係とし、〒住所、名前、年齢、性別、連絡先の電話番号、参加人数(1人または2人、2人の場合は続柄)を記入してください。

【締め切り】2025年11月20日(木)
※申込者多数の場合は抽選。抽選後、メールまたは郵送で当選者に連絡(選外者には個別に連絡しませんので、ご了承ください)

【申し込み・問い合わせ】
TEL 073-428-0281
FAX 073-428-3421
和歌山リビング新聞社「人生会議セミナー」係
営業時間:9:30~12:00、13:00~18:00
休業日: 土・日曜、祝日

ボクの人生会議
マエオカテツヤさん

人生会議_マエオカ先生

僕の師匠は、その昔、貸し本漫画隆盛のころ活躍した中島たをさん。
漫画のイロハを学び、共に専門学校で教えるようになってから、師匠には子どもがいなかったこともあり、親子のようにかわいがっていただきました。

ある日、学校に現れず、師匠の家に行くと誰もいない。近所で病院へ運ばれたと聞き、駆けつけると僕に「てっちゃん…」とだけ言って笑い、旅立たれました。

その後よく夢を見ます。師匠が喫茶店のいつもの席で僕に何か言いたげ。でも何も言わず、ただほほ笑む…。
もし、あのとき少しでも話せていたら、師匠が何を言いたかったのかを聞けたかも。
世話かけてばかりだった僕も何かしてあげられたかもしれないな…と、師匠の年齢に近づくにつれ…思います。僕も家族と人生会議かな。

マエオカテツヤさん【プロフィル】
リビング和歌山で「カン太なんか大っきらいっ!」を現在連載中。テレビやラジオでも人気で、現在、大阪アニメ、声優&eスポーツ専門学校などの講師も務める