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観光・おでかけ 【和歌山県】鈴木姓のルーツ「鈴木屋敷」と藤白神社あたりのグルメと観光

【和歌山県】鈴木姓のルーツ「鈴木屋敷」と藤白神社あたりのグルメと観光

公開日 2023.04.21

全国で2番目に多い鈴木姓のルーツとされる鈴木一族が住んでいた、和歌山県海南市藤白の「鈴木屋敷」。2023年4月1日に復元オープンしました。鈴木姓のルーツがなぜ和歌山なのか、まずはその謎を紐解いていきましょう。

鈴木さんのルーツが
なぜ和歌山県なの?

「熊野詣で」案内人が鈴木一族

【解説】平岡溥己さん(藤白神社総代長)

平安末期は、とても世情不安な時代。人々は救いと安らぎを求め、熊野信仰が盛んになり、こぞって聖地を目指す『熊野詣で』がブームになりました。法皇や上皇といった高貴な方々も同様で、約1000人もの従者を連れて京から熊野に向かったといいます。熊野詣での途中、藤白神社で手厚くもてなしたのが鈴木一族でした。

鈴木一族は、熊野詣での一行を藤白神社で出迎え、里神楽(さとかぐら)、相撲大会、和歌会などを催して、旅の疲れを癒やしました。また、ここから熊野への案内役を務めたのも鈴木一族。藤白神社は熊野の聖域への入り口であり、熊野詣での重要拠点になっていたのです。

全国各地に広がった鈴木姓

「鈴木屋敷」駐車場の看板

熊野信仰が全国に広まるにつれ、熊野神社の分社が3300余社建立。鈴木一族は各地に赴き、信仰普及に取り組みました。

江戸末期、一般庶民が名字を許された際、熊野神社がある土地に住む彼らは、同地の宮司や長(おさ)的な存在であった鈴木氏にあやかり、また熊野への憧れから、こぞって『鈴木』を名乗りました。これが鈴木姓が多くなった一説です。

江戸後期の地誌「紀伊国名所図会」(上記写真)には、鈴木屋敷で旅人が休憩している様子が描かれています。

時を経て、1942年に鈴木家の122代目の当主が亡くなってからは空き家に。1956年には藤白神社に寄贈されて境内に編入、藤白神社で守っていこうとしましたが、なかなか進まず、建物は崩壊寸前…。

2023年4月1日
復元「鈴木屋敷」オープン

地元の熱意と鈴木さんの後押し

R42沿い「スズキタウン海南」の看板

【解説】神出勝治さん(鈴木屋敷復元の会3代目会長)

2013年に「第7回鈴木サミット」が海南市で行われ、スズキ自動車の鈴木修会長(当時)が講演。2年後には鈴木屋敷を含む藤白神社が「藤白王子跡」として国史跡になり、復元への機運が高まりました。藤白神社(当時の宮司・吉田昌生さん)や、海南商工会議所(当時の会頭・角谷勝司さん)などの関係者によって「鈴木屋敷復元の会」が発足。

総事業費1億8000万円のうち、国・県・市からの補助金を除いた7000万円ほどの自己負担金が必要なことが判明。ふるさと納税型クラウドファンディングや企業版ふるさと納税などで、全国の鈴木さんをはじめ多くに賛同を得て、約9000万円を集めることができました。

往年の屋敷の形がほぼ復元

2023年3月7日撮影

国史跡なので新築はできず、木が腐ってダメになっている柱には木を継ぎ足したり、室町時代のものと伝わる瓦を再利用したりして、『紀伊国名所図会』に載っていた屋敷の形がほぼ出来上がりました。

決して派手な屋敷ではないですが、縁側から眺める池泉(ちせん)庭園は風情たっぷり。玄関付近には『義経弓掛松』も植えられています。

全国の鈴木さん、そして鈴木さんでなくてもこの地に来て、令和のいま、平安や江戸の時代に思い巡らせましょう。

名称 鈴木屋敷
所在地 和歌山県海南市藤白448 地図
電話番号 073-488-3805
営業時間 9:00~16:30
定休日 月・火曜
駐車場 あり
web http://www.suzukiyashiki.com/

海南市藤白のグルメ&観光スポット

ふじ白庵 佶楓(きっぷう)

藤白神社と鈴木屋敷の間にたたずむ創作和食の店。県内産の鮮魚・野菜はもちろん、国産の厳選肉など素材選びにこだわり、食する人の健康に留意した自然食料理を提供しています。

※写真はイメージ

以前この地にあった料亭「神田屋」で販売されていた「鈴木さん弁当」(2750円)を、鈴木屋敷復元を契機に復活。名称にちなみ、魚のスズキを食材に入れ、旬の素材もふんだんにそろえ、20種類を超える豪華な内容になっています。提供はお昼限定、できれば予約を。1650円の弁当もあります。※店内飲食価格

名称 ふじ白庵 佶楓(きっぷう)
所在地 和歌山県海南市藤白434-1 地図
電話番号 073-488-1118
営業時間 11:00~15:00(OS14:00)、17:30~22:30(OS21:00)
定休日 水曜
駐車場 あり
web https://fujishiroan-kippu.com

笹ふじ

独特の“クセ”のある味わいと香りで魅了する「なれずし」の本場といえば、有田の地名を思い浮かべることでしょう。その有田出身のおかみさんが、クセが和らいだ「早なれ」を販売する同店。

「古道歩きのおともに」との思いが込められ、昔ながらの笹に包まれています。熊野古道は、藤白神社を過ぎると有田まで険しい山道。山頂に到達して食べる早なれは、感動ものです。1個200円。予約販売優先で、予約は2日前までに。箱入りの贈答用もあります(箱代100円要)。

名称 笹ふじ
所在地 和歌山県海南市藤白394 地図
電話番号 073-484-3324
営業時間 10:00~15:00(売り切れ次第終了)
定休日 火曜
駐車場 あり

3時のかんぶつ屋さん(マルサン野田商店)

低カロリーながら栄養素がたっぷりの乾物。創業70年を超える乾物食料品問屋の「野田商店」が倉庫をリノベし、乾物を素材にしたスイーツを製造販売する同店を運営しています。

「日本古来の自然食材である乾物を、お子さんにも気軽に食べてもらいたい」との思いから洋菓子を開発。「ひじきシフォンケーキ」(300円)や、「麩◦(ぷ)リン」(324円)などパティシエ自慢の一品や、他にもこだわり商品が並びます。

鈴木屋敷復元にちなみ、「私、鈴木です」と証明すれば特典があるので、鈴木さんはぜひ申し出ましょう。

名称 3時のかんぶつ屋さん(マルサン野田商店)
所在地 和歌山県海南市藤白189-1 地図
電話番号 073-482-3424
営業時間 11:00~18:00
定休日 日・月曜
駐車場 あり
web https://maru3-noda.jp/
Instagram @maru3.noda_sho_ten

長久邸(中野BC)

長く久しく愛される酒でありたい”との意味を持つ「長久」に代表される日本酒、和歌山県産南高梅を使用した梅酒や蒸留酒など、多種多様な酒類を製造販売する「中野BC」。鈴木屋敷から徒歩約10分、酒蔵や日本庭園「長久邸」を無料見学(要予約)できます。

約100匹ものニシキゴイが泳ぐ鑑賞池には美しい白鳥の姿が見られ、野鳥も訪れては羽を休めています。

名称 長久邸(中野BC内)
所在地 和歌山県海南市藤白758-45 地図
電話番号 0120-050-609(観光専用)
営業時間 10:00~16:00
定休日 月曜
駐車場 あり
web http://www.nakano-group.co.jp

※掲載各店の判断により、営業形態や営業時間、メニュー等が変更されている場合があります