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岸本知事が死去 「県民を笑顔に」1期目半ば

公開日 2025.04.16
岸本知事の死去を受けて記者会見を行う宮﨑副知事㊧と北廣知事室長

岸本周平和歌山県知事が15日午前9時33分、敗血症性ショックのため和歌山市内の病院で死去した。68歳だった。14日午前10時15分ごろ、市内の知事公舎で意識不明の状態で倒れているのが見つかり、救急搬送の後、集中治療室(ICU)で治療を受けていたが、回復はかなわなかった。

【写真】 知事選の初当選から一夜明け、会見で笑顔を見せる岸本知事(2022年11月28日)

15日午前、県庁で記者会見した宮﨑泉副知事と北廣理人知事室長の発表によると、岸本知事は14日午前10時に公舎を出発予定だったが、連絡がつかなかったため秘書が公舎内を確認したところ、寝室内で倒れている岸本知事を発見した。

岸本知事は11日に腰の痛みを訴え、12日は大阪・関西万博の開会式出席をキャンセル。万博開幕初日の13日は、一部の公務を代理にゆだね、関西パビリオン内「和歌山ゾーン」のオープニングに出席し、和歌祭の神輿(みこし)を担ぐなど、体調不良の中でも公務をこなした。同日午後3時ごろに公舎に帰宅し、秘書には「病院に行く」と伝えていた。

通夜は16日午後7時から、告別式は17日午後1時から、いずれも和歌山市吹上2丁目3の36の吹上ホールで。喪主は妻の香織さん。香典、供物、供花は辞退する。後日、県民葬でお別れの会を執り行う予定。

岸本知事の死去に伴い、宮﨑副知事が15日付で職務代理者に就任。知事選は、宮﨑副知事が5日以内に県選挙管理委員会に通知した後、50日以内に行われる。

宮﨑副知事は岸本知事について、「常に弱い人の立場、視点に立ち、住民一人ひとりに寄り添い、『県民を笑顔にする』という言葉に象徴されるように、最優先に取り組んだ。短い在任期間だったが、和歌山の発展のために大変多くの貢献をされたと敬意を表したい」と話し、実績として、学校給食の無償化、子ども食堂の拡充、LGBTQ(性的少数者)のカップルが法律婚の夫婦と同等のサービスを受けられるようにする「パートナーシップ宣誓制度」の導入、障害者差別解消条例の制定、部落差別解消推進条例の強化改正などを挙げ、死去をいたんだ。

岸本氏は和歌山市出身で、県立桐蔭高校、東京大学法学部卒。大蔵省(現財務省)、トヨタ自動車勤務などを経て2009年8月の衆院選旧和歌山1区で民主党から初当選し、野田内閣で経済産業、内閣府の大臣政務官を務めた。国民民主党では選挙対策委員長、幹事長代行などを歴任。5期目途中の22年、国民民主を離党して11月の知事選に無所属で立候補し、自民、立憲民主、国民民主の推薦を受けて初当選。1期目の3年目だった。