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笑顔の県政さらに前へ 宮﨑泉新知事が初登庁

公開日 2025.06.05

岸本周平前和歌山県知事の急逝に伴い行われた1日の知事選で初当選した宮﨑泉新知事(66)が4日、県庁に初登庁し、公選第23代知事として県政運営を開始した。登庁式では「県民の声を聴きながら、県議会と手を携え、市町村と共に進みながら、しっかりと県政を運営していきたい。どうか皆さまのご協力をお願いする」とあいさつし、就任記者会見、職員への訓示など、慌ただしく初日のスケジュールをこなした。

【写真】花束を手に登庁式であいさつする宮﨑知事

午前9時30分、宮﨑知事は公用車で県庁に到着し、正面玄関前広場に集まった県職員や県議ら約800人の拍手に包まれ、歓迎を受けた。

秘書課の職員代表から花束を受け取ると、開口一番「本日、和歌山県知事として県政を担当させていただくことになりました宮﨑泉と申します。どうか皆さんよろしくお願いいたします」と頭を下げた。続いて「岸本知事のふるさと和歌山に対する熱い思い、新しい息吹、こうしたものを引き継いでいくと公言して選挙に突入した。おかげさまで当選することができ、岸本知事の『笑顔あふれる和歌山』が肯定されたと理解している」と話し、県政の継承に改めて意欲を示した。

宮﨑知事は43年間の県庁勤務を経ての知事当選。見慣れた知事室に初めて知事として入り、知事席に座った感想を問われると、「さっきから『知事』と言われたときに、誰のことを言っているのかよく分からない感覚になる。今まで呼び続けてきた人を(思い浮かべてしまう)。(自分が)呼ばれているところはあまり実感が湧かない」と苦笑いを浮かべた。

就任記者会見では重点的な政策課題として、「こどもまんなか」の県づくりを目指し、給食費の無償化やこども食堂の拡大などの継続、強化を図ること、誰もが生き生きと働ける職場づくりに向けた1次産業や地場産業の振興、成長産業の育成、県民の命と暮らしを守る防災・減災対策、医療・介護の提供、住みたくなる地域に向けた魅力向上などを挙げた。岸本前知事が推進してきた職員の職場環境改善についても、引き続き研究して進めるとした。

喫緊の課題としては、ひょうで甚大な被害を受けた梅産業の対策などを挙げ、現場の声を聴きながら、早急に対策を図る考えを示した。

知事の職責については「与えられた責任が教育長時代とは全然違う。県民に選んでいただいたということが大きな違いだと思う。これまでも決断することは必要だったが、後ろを見たら(最後の責任を取る人が)誰もいないという状況になり、身の引き締まる思いだ」と話した。