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現役刑務官と内定者が女子会 和歌山刑務所

公開日 2016.02.14

全国10カ所の女性刑務所の一つ、和歌山刑務所(松浦富貴子所長)は12日、刑務官採用内定者を対象とした初の「女子会」を開き、現役刑務官から所内の任務や日常生活などが語られた。女性刑務官は、肉体的、精神的な厳しさから採用後3年で約3割が退職する現状にあり、少しでも不安を解消しようと、今回初めて企画された。大阪矯正管区は、これらの取り組みにより、3年間で離職率半減を目指す。

和歌山刑務所の全職員165人(定員181人)のうち、153人が女性。同所の受刑者は528人(定員500人)で、収容率は105・6%と過剰の状態が続いている。受刑者のうち65歳以上の高齢者は16・1%であり、高齢化が進む。摂食障害や暴力的な傾向など精神面に不安を抱える受刑者も多い。一方、女性刑務所で勤務する職員のうち、29歳以下は48・6%と約半数を占めることから、経験が浅い職員と高齢者や精神的に不安定な受刑者とのコミュニケーションが難しくなるケースもあり、ストレスをためやすいという。

初開催の女子会には18~37歳の採用内定者11人が参加し、勤務形態や余暇の過ごし方などを現役女性刑務官に質問。現役刑務官らは、仕事のやりがいについては、受刑者らが更生していく姿を見ることや出所した元受刑者から送られてくる感謝の手紙などが日々の励みになっていることを話した。仕事以外の面では、バレーボールやソフトボール、バドミントン、登山などの多彩な部活動、人によっては海外旅行などでリフレッシュしている生活などを挙げ、充実した日々であることを紹介した。

当初は緊張した面持ちだった内定者らも、コーヒーとケーキがテーブルに運ばれると、緊張もほぐれた様子で、女子会らしく笑顔で会話を弾ませていた。この日は、所内の施設見学も行った。

参加した大阪府茨木市の大学4回生の内定者(22)は「一人暮らしや仕事に不安を感じていたが、先輩職員の『なんとかなる』という言葉を聞いて安心しました。ケーキも出してもらい、楽しい女子会でした」と話していた。