HOME 和歌山ニュース 和歌山ゾーン47万人来場 関西パビリオン閉幕式典

関西広域連合が設置した「関西パビリオン」は最終日に来館者が148万人を突破し、記念品の贈呈や184日間の感謝を伝えるセレモニーを行った。館内の和歌山ゾーンは、当初目標の来場者数30万人を大きく上回る47万人に達した。

【写真説明】148万人目の来館者家族を囲んで笑顔の三日月広域連合長(右から3人目)、宮﨑知事(左から4人目)ら

同館は、和歌山を含む8府県が地域の魅力を発信する出展ゾーンを設置。予約が取りにくい人気パビリオンの一つとなっていた。148万人目の来館者は、万博会場がある大阪市此花区の家族で、森健夫館長から関西全府県のマスコットキャラクターのぬいぐるみセット、同館オリジナルTシャツなどの記念品を贈り、三日月大造広域連合長(滋賀県知事)、宮﨑泉和歌山県知事らが祝福した。

セレモニーのあいさつで宮﨑知事は、「和歌山ゾーンは亡き岸本周平前知事が思いを込めてつくった。精神文化と景観の素晴らしさと、そこで生み出されるものづくり、食文化、それらを集めて皆さんに体験していただいた。ぜひ今度は和歌山に来ていただきたい」と話した。

岸本前知事は「県民総参加」の万博を掲げて準備に精力的に取り組み、開幕初日の4月13日、和歌山ゾーンのオープニングで和歌祭の神輿(みこし)を担ぐなどしたのが最後の公務となり、15日に急逝した。

「和歌山ゾーン」は「和歌山百景―霊性の大地―」をテーマとし、紀伊山地の巨木を思わせる高さ4㍍の映像ディスプレー「トーテム」が並ぶ会場では、ほぼ週替わりで県内のさまざまな文化芸術、伝統産業などの活動に関する展示やパフォーマンスを行い、県民参加型ゾーンとしてにぎわった。

館内の各府県ゾーンで唯一、飲食を提供するカウンターバーを設け、和歌山の豊かな食材を使ったスイーツのセット、県産梅酒や日本酒が人気を集めた。

万博の準備や運営に県が投じた費用は約17億円。和歌山ゾーンでの飲食販売などの売上は約4500万円となり、来場者47万人の他、同館併設の多目的スペースでの県関係催事には8万人、10月3日の「和歌山DAY」には1万8000人が訪れた。さらに、県が推進した県内小中高校生の万博来場支援事業には、約4万人が参加した。

宮﨑知事は14日の定例記者会見で、「万博を通じてできたつながりや経験は今後の県の発展のために大きな財産となる。観光や教育、産業などで持続可能な県を目指していきたい」と述べた。海外パビリオンの訪問などを通じて、以前は交流がなかった国との関係ができた例もあるとし、今後の発展に期待した。