地元の仕事を知ろう 未来スクールに200人
子どもたちに、地元の企業や仕事の楽しさを知ってもらおうと、職業体験イベント「未来スクール」(県専修学校各種学校協会主催)が27日、和歌山市の伏虎中学校で開かれた。弁護士や美容師、建築士、新聞記者など20種の職種で、地元で働く大人が講師を担当。小中高生約200人が、各分野で活躍する人から仕事への思いを聞き、将来への夢を膨らませた。
未来スクールは、県外就職などで和歌山を離れる若者が多い現状から、地元で働く魅力を伝えようと、同協会がキャリア教育の一環として企画。2度目の開催となった。
医師の仕事を紹介する教室では、授業開始を告げるチャイムとともに「これから緊急手術を行います」と中谷医科歯科病院(同市屋形町)の中谷匡登院長が登場。実際に外科手術で使うピンセットや糸、はさみを使って鶏のもも肉を縫合すると、子どもたちはその手元にくぎ付けになっていた。その後、2本のひもを使い、手術の基本となる糸結びにも挑戦した。
中谷院長は医師の仕事について、治療以外にも、新薬開発などの研究、医療が十分でない地域に出向く医療ボランティアなどがあるとし、「人の病気を治すのも大事だけれど、お医者さんは、看取りの緩和ケアのサポートも重要な仕事」などと伝えた。
津村周和歌山新報社社長による和歌山の魅力再発見と新聞づくりの授業、和歌山の土産品のデザインを考えたり、理想の家を粘土で創造したりする授業もあり、各教室で趣向を凝らした魅力的な講座が開かれた。
医師の授業を体験した智弁小学校2年生の中野航(わたる)君(8)は「あんなにきれいに縫えて、お医者さんはすごいなって思った。将来は研究者になりたいけど、これからじっくり考える」と話していた。
実行委員長で、一日校長を務めた山本理恵さん(IBW美容専門学校副校長)は「自発的に質問してくれる子も多く、意欲の高さを感じました。関わった大人も熱意のある方ばかり。今後の教育には必要だとあらためて実感したので、イベントで終わらせず継続させたい。地元で学べ、働けることを伝え、みんなで子どもを育てる仕組みをつくっていきたい」と話していた。
記事元:わかやま新報
※掲載記事内容は記事提供元で過去に掲載された内容になります。