春の交安ポスター採用 中畑さん総理大臣賞
平成28年使用「交通安全ポスターデザイン」のコンクール(全日本交通安全協会など主催)で、和歌山市梅原のイラストレーター・グラフィックデザイナー、中畑康代さん(54)が一般部門Aで内閣総理大臣賞を受賞した。同賞は最優秀作品に与えられ、春の全国交通安全運動(6~15日)の啓発ポスターに使用される。
「こんばんは早めのライトでごあいさつ」――。中畑さんのポスターに記された言葉は、「交通安全年間スローガンコンクール」で内閣総理大臣賞を受けた標語。同コンクールの結果発表を受けてポスターデザインの募集が始まる。
中畑さんは毎年11月末の一連の発表を新聞紙上で確認し、ポスターデザインに取り掛かる。内閣総理大臣賞を受賞するのは5年ぶり2回目。今回は、夕暮れを背景に、点灯した車同士が笑顔で手を振って対向する様子をデザインした。
他のデザイン、イラストコンクールでも受賞歴は多数。アイデアはあふれるように浮かぶが、既出の作品に類似しないよう注意を払い、パソコンのソフトやペンタブレットを使って制作する。
テレビ和歌山に採用され、透明なアクリルボードに歌いながらイラストを描いていた水森亜土のように、ボードライターとして活動を始めたのは22歳のころ。その後18年間、CM制作や企画、番組ロゴ制作などに携わった。平成12年に同社を退職し、翌年からは、イラストレーション中心のデザイン事務所と、夫と作る陶作品の展示販売を兼ねたデザイン工房・陶ギャラリー「つくりん房」を主宰している。
中畑さんは18歳から22歳まで闘病生活の経験がある。病気が治ったとき、日常の当たり前のことや、仕事を通じて知るさまざまな世界に大きく感動。幼少のころの消極的な性格は明るく前向きに変わり、感動は年齢を重ねるごとに大きくなっていくという。
今回の受賞について「デザインの公募は自分の制作の方向性が間違っていないかどうかを確かめられる場なので、積極的に参加しています。私らしいほのぼのとしたタッチの絵で、交通安全の啓発に協力できることがうれしいです」と話している。
記事元:わかやま新報
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