
「小さな大劇場」完成 べっちんさん100年ホール
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和歌山県海南市黒江に19日、多目的ホール「べっちんさん100年ホール」が誕生する。黒色を基調とした、落ち着いた空間にヒノキの舞台が設置され木の温もりが伝わる。緞帳(どんちょう)、歌舞伎の舞台で使用される定式幕など6幕を取り入れ、証明はLEDを導入。小さいながらも大劇場規模のシステムになっている。演劇やコンサートなど幅広く利用でき、交流や文化振興の拠点となることが期待される。
【写真】完成したべっちんさん100年ホール
同ホールは、舞台用の別珍生地販売、生地製作を行う㈱ナカヤマ(大阪市西区・中山房子代表取締役)が運営する。同社の会長、中山一さん(77)らが地域活性化を目指し、2年かけて閉店した紀陽銀行の支店を劇場仕様に改修した。
鉄骨鉄筋造りの2階建て。1階は舞台や客席となっている。収容人数は120人。緞帳は、中山会長が希望したグレーの別珍生地。一般的に黒色が多い中、軽やかで明るく、芝居小屋に合う温かいイメージにしたいとグレーを選んだ。
ヤマハS3Xのグランドピアノ、マーシャル、フェンダーのアンプスピーカー、パールのドラムも設置され、バンド演奏や練習、クラシックコンサートなど多様なニーズに対応している。
ATMがあった所はロビーに変わり、鉄格子が残る金庫室は控え室になり、銀行の名残も感じる。2階は会議やダンス練習、茶道にも利用できる多目的部屋となっている。中山会長は「自分も楽しみながら、ふるさとを後世に残し、夜でも電気がつくまちにしたい」、中山代表は「舞台と客席が近いので、演者はお客さまの反応を肌で感じることができる。長く地域に愛されるホールにしたい」と話している。
中山代表が子どもの頃に描いたという、ミカンと音符をモチーフにしたオリジナルキャラクター「みおんちゃん」「どんちょ~くん」「なれじぃ」も館内に飾られ迎えてくれる。
ホールの隣には、同社運営のカフェ「べっちんさん」があり、中山代表は「本社は繊維でつむぎ、べっちんさんは食で紡ぎ、ホールは文化を紡ぐ。三つを通じて人が集まる場所になれば。一度使っていただきたい」と話している。利用申し込みは同ホールのホームページから。





























