ボート競技の全国大会「第69回朝日レガッタ」で、和歌山ローイングクラブから出場した中学生舵手つきクォドルプル女子1000㍍のチームが初優勝を飾った。これまではメンバーがそろわず、クラブとして初出場の種目での栄冠に、喜びが広がっている。(写真は同クラブ提供)
優勝チームのメンバーは、坂田なつさん(智弁和歌山3年)、小畑理華子さん(城東2年)、雪野花音さん(有功3年)、那須華鈴さん(紀之川3年)、那須梨々さん(同1年)の5人。監督は県ボート協会副理事長で同クラブの堅田哲也さんが務めた。
舵手つきクォドルプルは、4人がボートを漕ぎ、1人が舵を取ってボートを進める種目。大会は今月2、3日に滋賀県立琵琶湖漕艇場(滋賀県大津市)で開かれ、同種目には同県の瀬田中など6チームが出場した。
念願の同種目出場が実現した同クラブチームだが、メンバーが違う学校に通うことなどから、練習時間の確保に不安も抱える中、大会に向けて練習、準備を進めてきた。
迎えた大会本番のレースでは、貸与のボートが前のチームから回ってくるのが遅れ、ボートの調整に本来の半分程度の20分ほどしかかけられず、慌ただしくスタートに臨むことになってしまった。
しかし、始まってみると、レース序盤から他チームを引き離し、追い上げられるどころかぐんぐんと引き離し、そのまま1位でゴール。
雪野さんは「一人も欠けることなく出場でき、優勝できてうれしかった。初めて5人でレースに出たことで、新しい可能性が見えた」と手応えを話す。
同チームは7月に石川県津幡町で開催される「全日本中学選手権競漕大会」に出場する予定。
キャプテンの那須華鈴さんは「引退まであまり時間もないので、一つひとつのレースを大切にしていきたい。期待に応えられるように頑張りたい」と意気込んでいる。