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県内初のジビエ料理専門店 北ぶらくりに

公開日 2016.07.04

県内で捕れたイノシシやシカなどの野生鳥獣肉「ジビエ」料理を提供する県内初の専門店「ビストロの~や」が2日、和歌山市中心部の北ぶらくり丁内にオープンする。オーナーを務めるのは、同市の猟師、北浦順嗣さん(68)。昨年春に発足した一般社団法人和歌山鳥獣保護管理捕獲協会の会長でもある北浦さんは「店で出すのは、猟師料理、山賊料理とでもいうべきシンプルなジビエ料理。一般の方にも安く、気軽に味わってもらいたい」と意気込む。

北浦さんは、精肉店「いの屋」として、わかやまジビエ処理施設衛生管理認証処理業者の第1号認定を受けている。

農作物が深刻な被害を受ける中、同協会では捕獲されたイノシシやシカを買い取り、精肉して飲食店などに販売。しかし、北浦さんによると、食肉として利用されているのは全体の4割ほどという。

県は平成20年度からジビエの消費拡大や地域振興に力を入れ、処理施設の認証や肉質等級制度を導入し、県内のレストランやホテルでジビエ料理を味わえる「ジビエウイーク」「ジビエフェスタ」などを展開。北浦さんもイベントに関わってきたが、より日常的にジビエを味わってもらいたいとの思いがあり、何とか店を出せないかと模索してきた。

同店ではイノシシやシカ肉の串や唐揚げ、煮込みや一口ロースステーキ、ピリ辛味のイノシシミンチのレタスづつみなどを提供。家庭的でシンプルな味付け。300円までの価格帯で、串は1本150円と手頃な価格が魅力だ。精肉も販売し、一般家庭へのジビエ普及を図る。

開店前のプレオープンに訪れた関係者からは「臭みもなく、肉も軟らかい」「この値段でジビエが味わえるのはうれしい」などと好評だった。

北浦さんは、狩猟日以外の週2日程度は自らも店頭に立つ予定で、「自分が若い頃にぎわっていたぶらくり丁への思いもあり、オープンで少しでもまちの活気につながれば。仕事帰りに、ぜひ気軽に立ち寄ってもらいたい」と呼び掛けている。

営業は午後5時から9時半まで。問い合わせは同店(℡073・423・5550)。