統合後の伏虎中学校跡地の活用を議論する和歌山市議会の「伏虎中学校跡地活用に関する特別委員会」が4日に開かれ、午後の審議は駐車場確保の問題に波及し、市は現在の市営中央駐車場など既存駐車場で対応できるとする考えを示した。
市が示した資料では、市民会館に必要な駐車場の台数は、メーンホールと多目的ホールの利用者計1500人に現市民会館の車利用率40%を適応し、そのうち相乗りが2・75人と見積もった結果、車の利用は220台と試算。市営中央駐車場(最大収容数545台)はピーク時の駐車が約350台のため、約200台は収容できるとした。
現在、定期駐車している公用車や職員の車は別の場所に移動させる方針。県が立地を進める薬学部の駐車場確保については、来客用の数台程度しか想定しておらず、学生らは車での通学を禁止することで、駐車場確保の問題は発生しないとの考えを示した。
一方で、委員からは「学生のほとんどは成人。学内の駐車が禁止になれば、周辺の民間駐車場を利用するだろう」「南海和歌山市駅からも遠くなるため、車での市民会館の来館は増えるのでは」などと、現市民会館の利用状況で試算した想定の甘さを指摘する意見も上がった。
市当局は同日、伏虎中跡地の半分となる薬学部を計画している土地を県に無償貸与する議案を、9月定例市議会に上程する考えを示した。
委員からは、特別委員会で審議が継続している中、市と県による現行案で計画を進めようとする状況に、「上程は時期尚早だ」と反発する意見が相次いだ。
しかし、この日約5時間に及んだ議論の中で、尾花市長が「薬学部設置は伏虎中学校跡地が最適である」「完成は最短でも5年後。それ以上延びると、薬学部の話もなくなるかもしれない」と、一貫して現行計画実施に強い決意を示したことで、審議終了間際には、計画案に強く反発していたベテラン議員らも態度を軟化させ、尾花市長の考えに歩み寄る場面も見られた。