和歌山市と友好関係を深めている台湾で人気が高い夜に開かれる屋台「夜市(よいち)」を再現したイベント「わかやま『夜市』」が4日、同市東長町の七曲市場で開かれた。市場内は行き来するのも大変なほど大勢の人でごった返し、台湾のグルメを味わい、文化を楽しむ一夜となった。
和歌山日台交流協会(木村孝誠会長)の主催で初開催。台湾の文化にふれ、和歌山を盛り上げようと企画され、90以上の企業や団体、個人が協賛した。「わかやまの底力・市民提案実施事業」に指定されている。
会場には台湾と和歌山のグルメを扱う30以上の店がずらり。台湾からは小龍包やルーロー飯、水餃子、雪花氷、タピオカミルクティーなど人気のフード、スイーツ、ドリンクが登場し、和歌山からは、揚げかまぼこや焼きラーメン、うめどりから揚げ、県産果実のジェラート、地酒などが並んだ。
市場には開始の午後3時前から大勢が詰め掛け、台湾グルメの屋台には長蛇の列ができた。
市場内の画面では台湾の観光情報が紹介され、パンフレットなども配布。台湾雑貨の販売や台湾茶の実演など、台湾文化を楽しむコーナーも盛況だった。
ステージでは、雑賀鉄砲衆の演武や太鼓の演奏の他、台湾で人気のある神で、『西遊記』などにも登場する「三太子」(さんたいし)のダンスパフォーマンスもあり、インパクトのある外見と華麗なダンスで会場を大いに盛り上げた。
終了の午後10時まで市場は冷めやらぬ熱気に包まれた。
同協会顧問の劉玉華さんによると、ご飯の上に卵や肉をのせた「ルーロー飯」200食は、約1時間で完売。「開催の2日前までは集客できるかどうかとても不安だった」と語り、大きな盛り上がりを見せた当日の様子に「大変うれしく皆さんに感謝しています」と喜び、フェイスブックなどを通じて口コミが広がったことを成功の要因に挙げた。
大阪府泉佐野市から夫婦で訪れた番匠望さん(32)は、1時間半並んで購入したという「小龍包」を味わい、「中のスープがとてもおいしい」と舌鼓。夜市を満喫している様子だった。