県は、県内270地点の基準地価(7月1日時点)を発表した。住宅地の1平方㍍当たりの平均価格は26年連続下落の3万4300円(前年比2・0%減)、商業地は25年連続下落の7万8600円(同1・7%減)となったが、ともに下落率は5年連続で縮小。価格上昇地点は、住宅地で昨年の9地点から14地点に増加、商業地でも4地点から9地点に増加した。上昇地点の増加は住宅地で4年連続、商業地で3年連続。和歌山市の商業地は26年ぶりに価格が上昇に転じた。
林地を除く全用途(261調査地点)の対前年平均変動率はマイナス2・0%で、昨年(マイナス2・4%)よりも下落率が縮小した。1平方㍍当たりの平均価格は4万3000円(昨年比300円下落)。261地点のうち、価格が上昇したのは23地点(昨年13)、横ばいは20地点(同29)、下落したのは218地点(同220)となっている。
住宅地で価格が上昇したのは、商業施設のある和歌山市中(ふじと台)など同市内8地点を含む岩出市や白浜町などの14地点で、道路による交通アクセスが充実している地域、紀南地方の津波被害のリスクが懸念される地域の高台などで価格上昇が見られた。
和歌山市の雑賀道、中之島、紀の川市の窪、北涌など10地点で横ばいだった。最高価格の「和歌山市吹上4丁目6番10」の19万円(前年比2・2%増)は、平成25年の選定替え以降4年連続でトップ。
商業地は、和歌山市と岩出市で対前年平均変動率が0・1%。和歌山市では26年ぶり、岩出市では2年ぶりに価格が上昇に転じた。
上昇地点は、和歌山市十一番丁や美園町など同市内8地点と岩出市西野の計9地点。和歌山市中心部の繁華性が高い地域、岩出市は国道バイパス沿いの店舗が集積している地域で価格が上昇した。和歌山市の元寺町、新内など同市内6地点を含む8地点で横ばい。最高価格は「同市友田町5丁目50番外」の43万8000円(変動なし)で、18年連続トップ。
本紙エリア市町の平均価格は次の通り(住=住宅地、商=商業地、かっこ内は対前年平均変動率)。
和歌山市=住6万9700円(1・2%減)、商13万6400円(0・1%増)▽海南市=住4万6000円(2・4%減)、商6万3800円(2・2%減)▽紀の川市=住2万1200円(2・3%減)、商3万4600円(3・2%減)▽岩出市=住3万8100円(0・9%減)、商7万2000円(0・1%増)▽紀美野町=住1万2300円(2・0%減)、商3万2800円(1・5%減)