子どもが主役となってフリーマーケットなどを催す職業体験型イベント「ハタラコモール」が30日午前11時から午後4時まで、海南市名高の海南駅前一番街商店街で初開催される。発起人の一人で、東浜商店街(同市船尾)の空き家をリノベーションして洋食店を営む日口奈央さんは「子どもたちと大人のコミュニケーションの場になれば。地域が一体となって子どもを育てていきたい」とイベントに込めた思いを話す。
同市出身の日口さんは県外で過ごした大学時代、経営学を勉強しながら和歌山を活性化させる方法について考えてきた。「私の子どものころは市街地でさまざまなイベントがあり楽しかった思い出がたくさんある。今は子どもも少なくなり、海南の中心なのに寂しい」。地元に戻って地域の変化を感じ、「昔のにぎわいを中心市街地に戻したい」という気持ちが強くなった。
かねて、海南駅前一番街商店街内「ファーストガーデン」の店主らと、当時の海南の街を振り返りながら「何かイベントができたらいいね」と雑談していたという。地域イベントや洋食店「MAXIM(マキシム)」をリノベーションする際に出会い、さまざまな業種で活躍する人たちの支援を受け、今回のイベントが実現した。
日口さんは「雑談からですが、これだけの人が集まればイベントができると思いました」。ことし夏に実行委員会「ハタラコモールプロジェクト」を発足させ、自分たちが子どものころのにぎわいを取り戻そうと、企画を練ってきた。
イベントは、各家庭から持ち寄った雑貨や衣類、リサイクル品などを子どもが店長となって販売する「Payエリア フリーマーケット」、アクセサリー作りやラテアート、写真加工など大人の仕事を体験する「Playエリア 職業体験」、地元産品を使った飲食を楽しむ「Partyエリア地元」の3エリアに分けて実施。当日は同プロジェクトメンバーや高校生ボランティア、来場した大人が子どもたちの活動を見守る。
待望のイベント開催に、日口さんは「子どもたちに地元での楽しい思い出をつくってほしい」と願い、「大人たちにも元気を与えられるようなイベントになれば」と来場を呼び掛けている。
フリーマーケットの参加者は25日まで受け付け。問い合わせは同プロジェクト(ファーストガーデン内、℡073・483・7494)。