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「紀伊国名所図会」彩色原画展 24日まで

公開日 2016.10.23

江戸時代の地誌書『紀伊国名所図会』に彩色した書籍『城下町の風景Ⅱ―カラーでよむ『紀伊国名所図会』―』の原画展が24日まで、和歌山市十二番丁のMsギャラリー12番丁で開かれている。

同ギャラリーが企画。原画31点と、解説を添えている。

原画は同市の芝田浩子さん(56)が500色もの色鉛筆を使い分けて彩色。できるだけその場所に足を運び、見える風景に当時の画を重ね、思いを巡らせたという。

色のない名所図会を塗り分けることで、何が描かれているかが伝わるよう配慮。芝田さんは「色を入れると風景が浮き上がっていくようで、うきうき、わくわくしながら仕上げました」と笑顔。

このうち、布を織る職人や町人の様子が描かれた新通の紋羽織屋は「にぎわいが伝わり、三味線の音や人の声が聞こえてくるようでした」。その他、徳川吉宗ゆかりの刺田比古神社や吹上寺、大勢の町人らでにぎわう駿河屋店など、当時のまちなみや暮らしぶりを、鮮やかに生き生きと伝えている。

駿河屋の菓子の木型や城下町の古絵図も展示され、芝田さんは「どれも脈々と続いてきた、身近で誇れる場所。ますます和歌山を好きになり、自分の住むまちに愛着を持ってもらえたら」と話している。

22日午後2時から、同書の解説を担当した市立博物館の額田雅裕館長の特別講演「名所図会にみる城下町和歌山」がある。先着35席を用意。午前11時から午後7時(最終日は5時)まで。問い合わせは同ギャラリー(℡073・431・8255)