HOME 和歌山ニュース 島田、田中さんに決まる 大桑文化奨励賞

島田、田中さんに決まる 大桑文化奨励賞

公開日 2016.10.24
田中とも恵さん

田中とも恵さん

公益財団法人大桑教育文化振興財団(大桑堉嗣理事長)の本年度の大桑文化奨励賞に、アマチュア劇団代表の島田忠訓さん(56)=和歌山市=、公募展「二科展」絵画部で高い評価を受ける田中とも恵さん(38)=同=が選ばれた。文化活動援助団体には、田辺・弁慶映画祭実行委員会(田辺市)、TSUBASA PROJECT県立那賀高校放送部、県指定無形文化財に対する援助事業には、塩津いな踊り保存会(海南市)、糸我得生寺(いとがとくしょうじ)の来迎式保存会(有田市)が選ばれた。

文化奨励賞に選ばれた島田さんは大学在学中から路上パフォーマンスを始め、昭和60年に県民文化会館で上演された「私!クレオパトラ」で初舞台・初主演を務めた。平成元年に和歌山市で劇団ZEROを結成。現在に至るまで代表を務め、役者と脚本・演出を兼任。悲劇からコメディー、ミュージカル、オペラまで、老若男女さざまなキャラクターを演じ分ける。

16年から「リチャードⅢ世」「テンペスト」など、シェークスピア劇を13年続けて主演・演出。昨年の紀の国の女王伝説「名草姫」は好評を博した。

25年からは県立図書館メディア・アート・ホールのコーディネーターを務め、舞台芸術の振興に力を注ぐ。同劇団は同市、県の文化奨励賞を受けている。

田中さんは二科展への出展を中心に、個展やグループ展を開くなど精力的に芸術活動を展開。今後一層の活躍が期待される若手画家の一人。作品は物語性のある抽象表現で、人型やさまざまな模様を融合させて描いた幻想的な世界が高い評価を受けている。

同市内の保育施設で、保育教諭として勤務する傍ら、創作活動を続けている。

二科展は平成19年に初出品し、初入選。以来入選を重ね、24年に新人奨励賞、ことしの関西二科展で奨励賞などの受賞歴がある。勤務先で子どもたちに美術の基礎を指導し、豊かな感性や情操を育む活動をしていることが評価された。

表彰式と各援助目録の贈呈式は11月22日午前10時から、同市のホテルアバローム紀の国で行われる。

同財団は㈱オークワの創業者・大桑勇氏が平成5年に設立。毎年、大学生への奨学金給付や高校スポーツ選手奨学金、市町村対抗ジュニア駅伝競走大会援助、学校図書の寄贈など、地方公共団体や学校が行う文化やスポーツ、教育に関する活動に対し、援助を行っている。

これまでの寄贈や援助額の合計は約7億2000万円。本年度の援助額の総額は3086万円。