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和歌山市
県博特別展第5期「熊野信仰の美と荘厳」
2024.12.26
各分野のオピニオンリーダーを招く県教育委員会の教育講演会「高校生のための和歌山未来塾」が12日、和歌山市屋形町のルミエール華月殿で開かれ、シドニー五輪水泳400㍍メドレーリレー銅メダリストでスポーツコメンテーターの田中雅美さんが、3度の五輪出場などを通して得た経験を県内の高校生約230人に語った。
7歳から競技を始めた田中さんは、高校2年生の時に100㍍平泳ぎの日本記録を更新。アトランタ五輪の代表に選ばれた。初めての五輪は会場の広さや歓声に圧倒され、体がまひするほどの緊張に包まれたという。
中央大学在学中に出場したシドニー五輪は大変だったと田中さんは振り返った。同種目で世界2位の記録を持ち、メダルの有力候補とされながら、結果は6位。メドレーリレーは水泳が面白くないと感じる中での出場となった。田中さんは、メダルが取れなければ自分の責任になると思い不安だったが、チームメートの大西順子さんに「自分の泳ぎをすれば良い。この4人がいるからメダルは取れる」と励まされ、自分を支えてくれる仲間に気付き安心して競技に挑めたという。その結果、ドイツを0・16秒差で押さえ、銅メダルを獲得できた。
そしてアテネでの3度目の五輪。練習で行き詰まっていた田中さんに、コーチはタイムを見る前に自分の心に100%の力を出せたかを聞いてみることを勧めた。アテネでは200㍍平泳ぎの4位が最高でメダルは取れなかったが、100%泳ぎ切り、後悔はなかったという。
田中さんは高校生に「みんなの人生なので、目標は一人ひとりが決めてほしい。結果は後からついてくるので諦めずに挑戦を続けてほしい」と呼び掛けた。