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井澤弥惣兵衛の足跡巡る 関東の教員来和

公開日 2017.02.07

徳川吉宗に仕え、県内や関東各地の水利事業、新田開発などに活躍した治水家、井澤弥惣兵衛(1663~1738)について理解を深めようと、東京都と埼玉県の教諭2人が1月28日、井澤の出身地である海南市を訪れ、地元の顕彰団体「井澤弥惣兵衛さんを知ろう会」(井澤佳代代表)のメンバーから井澤の功績や人物像について話を聞いた。

訪れたのは、東京都世田谷区立旭小学校の松田左都子さんと、埼玉県久喜市立菖蒲小学校の小山久仁子さん。松田さんは旭小4年の社会科授業「地域の発展に尽くした先人の事例」で、井澤や、井澤が手掛けた葛飾区のため池「小合溜井(こあいためい)」がどのように造られたかなどを学ぶ授業を実践。小合溜井は現在、都立水元公園の一部として地域の憩いの場になっているという。

今月、同校で開かれる平成28年度都小学校社会科研究会の公開授業で、松田さんは小合溜井に関わった井澤について授業する予定で、より深く井澤を学ぼうと海南市歴史民俗資料館の小畑一館長と電話でやり取りし、同会から説明を受けることになった。

この日は、井澤が携わった用水路「見沼代用水」の近くに勤務し、親交のあった小山さんと共に同館を訪問。同会の井澤代表、古畑武男さん、山添高道さんの3人が出席し、同会で調べてきた井澤の足跡をはじめ、亀池の造られ方や亀池の水を引く新川との関係、史料に残る井澤の幼少期の姿などを説明した。また、井澤のゆかりの亀池や野上八幡宮、石碑などを巡り、足跡をたどった。

松田さんは「足跡をたどると先人のドラマや情熱を知ることができる。きょう学んだことを子どもたちや先生の役に立てたい」と話した。

県外で井澤の授業が行われていることについて、井澤の末裔(まつえい)でもある佳代代表は「多くの人に知ってもらえ、大変ありがたく、うれしいこと」と喜んでいた。