もっと気軽に、和の装いを――。和歌山市梅原の主婦、前朋子さん(52)は、大阪や京都、神戸など関西を中心に、着物のファッションショーや着物での散策イベントなどを企画し、これまで手掛けたイベントは30件以上。和歌山での独自企画はまだないが「和歌山城をはじめ、和歌山には着物で歩きたくなる場所も多い。いろんな方と一緒に、着物の魅力や和の文化を広めていけたら」と話している。
ベリーダンサーとして活動し、和装とは無縁だった前さん。着物に興味を持つようになったのは約3年前、ある人に声を掛けられ、ザ・リッツカールトン大阪で開かれた着物のファッションショーに出演したことがきっかけ。
芸能人やミスユニバース大阪の出演者らと肩を並べ、和服にベールをまとって踊った。それまで少し敷居が高いイメージがあった着物に「私でもモデルができた」という感動が忘れられず、「これほど楽しいステージを、たくさんの人に体験してもらいたい。イベントを増やせば、もっと着物を身に着ける機会も増えるのでは」と思うように。
あらたまった場面だけでなく、着物に袖を通す機会をつくろうと、呉服店の協力を得て、気軽に着物で参加してもらえるイベントを企画するようになった。
また、前さんは「わいわいサタデーなんでも美人コンテスト」で優勝経験を持ち、平成25年の関西美魔女コレクションで応募者700人のうち、トップ40の選考に残るなど多彩な一面も。自身も和装でショーに出演する他、出場者同士が審査し合うコンテスト形式のステージ、着物とウエディングドレスのショー、着物での女子会など、趣向を凝らした企画を実現させてきた。
フェイスブックやインスタグラムなどSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を通じて参加者を募る。つい先日、京都市で開いたイベントには、関西を中心に十数人の着物愛好者が参加。着物をレンタルして和菓子作りを楽しみ、石臼での抹茶挽きに挑戦。下京区にある国の名勝・東本願寺渉成園周辺の散策を楽しんだ。
これまで企画したイベント参加者の年齢層は、10代から70代までと幅広い。海外からの和装の注目度も高いことから「ことしは関東に活動の場を広げるのが目標ですが、いずれは海外にも挑戦したいですね」と夢を膨らませている。前さんの活動内容はフェイスブックで。